アメリカで一番医療費の高い州
公開日時 2013/04/30 05:00
アメリカ各州の年間州民一人あたり医療費を比較するデータをウォールストリートジャーナル紙がまとめた(2009年データ)。(医療ジャーナリスト 西村由美子)
http://online.wsj.com/article/SB10001424127887323884304578328173966380066.html?mod=WSJ_JRHealthCare_4_2_LEFT#project%3DIVCostsprint%26articleTabs%3Dinteractive
州民ひとりあたり医療費が高いのは、マサチューセッツ(9278ドル)、コネチカット(8654ドル)、メーン(8521ドル)、ニューヨーク(8341ドル)など米国北東部の各州だが、実は特別区であるワシントンDCがもっとも高く、1万349ドルであった。
マサチューセッツ州の医療費の高さはつとに知られており、先の大統領選挙キャンペーンではロムニー候補(前マサチューセッツ州知事)の行政手腕の低さを批判する格好の材料となったほどである。マサチューセッツ州を含め、メーン州やコネチカット州の医療費の高さは、これらの州が全米でも一般に生活費の高い大都市エリアを擁しており、そのため州内にいわゆる高級な病院を複数もっていることなども影響していると考えられる。
むしろ過疎地域であるために医療費が高いと考えられる州もある。たとえばアラスカ(9128ドル)、ノースダコタ(7749ドル)などだ。これらの地域では医療サービスを行き渡らせるためだけにも多大なコストがかかる。
州民ひとりあたり医療費の高い州は、病院経費、医師・クリニック経費、医薬品費等の費目別の比較でも、いずれも上位(医療費の高い)にランクされているのが特徴。病院経費がもっとも高いのはワシントンDC(4948ドル)、医師・クリニック経費がもっとも高いのはアラスカ(2570ドル)、医薬品費等がもっとも高いのはコネチカット(1269ドル)だ。
一方、州民ひとりあたり医療費が低いのはユタ(5031ドル)、アリゾナ(5434ドル)、ネバダ(5735ドル)、コロラド(5994ドル)、アイダホ(5658ドル)、テキサス(5924ドル)などの中西部各州およびジョージア(5467ドル)である。
中でもユタ州がもっとも低い。ユタ州知事はこれを「ユタ州は州民の平均年齢が若く、また宗教上の理由等からアルコールやカフェイン等を摂取しないなど、健康なライフスタイルをとる州民が多数をしめているため」と説明している。また、ユタ州は2011年の全国調査の結果、州民の肥満度が全米で最も低いことでも知られており、健康な州民は医療費消費が少ない?!と注目されている。