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中国進出企業 GSK問題の拡大を懸念 リリー、サノフィに査察

公開日時 2013/08/07 03:50

英グラクソ・スミスクライン(GSK)が中国で大規模な賄賂行為を行ったとされる問題で、賄賂事件が他社に波及するのではないかとの懸念も出ているようだ。中国公安部が現地幹部を拘束したが、その後、国際担当重役が、一部幹部が賄賂行為に関与した可能性を認めるなどの事態の解明はまだ途上にある。さらに、中国当局が、GSK以外の多国籍企業一部の従業員を拘束したり、企業を訪問するなどの動きを見せている。米通信社・ブルームバーグやロイター通信がともに8月1日付で報じている。

米イーライリリーおよび仏サノフィの瀋陽事務所は、中国国家産業・商業管理局(SAIC)の係官の訪問を受けた。SAICは、独占禁止法上の問題の監視や簡単な賄賂事件などの捜査も担当する政府機関。


これについて、イーライリリーは、日常的なビジネス上の「査察」であるとしており、公安部が取り扱っているGSKのケースとは異なるものだと話している。
一方、サノフィは、Chris Viebacher CEOが7月30日に第2四半期決算発表の際に、当局の訪問を受けたことについて言及した。「我々はSAICの本当の訪問の目的は知らないが、SAICには協力する考えだ」と話している。同社の中国本社にあたる上海の事務所には当局から連絡はないとしている。


◎AZ MR1人の拘束状態続く


英アストラゼネカ(AZ)は7月下旬、上海事務所のMR(医薬学術担当者)1人が拘留され、そのままの状態が続いている。この社員拘留は、一時、GSKの賄賂問題の拡大かと取り沙汰されたが、当局は、GSKに対して、GSKの賄賂問題とは関係なく、個人的な問題だと話したという。GSKの賄賂問題発覚以降、多国籍企業は中国での事業展開上のコンプライアンス順守に敏感になっている。


同社のPascar SoriotCEOは、第2四半期決算発表の席上、「AZのチームは、コンプライアンスを順守しているか、二重、三重のチェックを行っている」とし、同社の内部システムは賄賂や腐敗を防止するためには堅固であることに自信を示した。



◎J&J 8万6000ドルの罰金


一方、ブルームバーグ通信によると、中国最高裁がホームページで米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が、中国当局から独占的販売行為で53万元(約8万6000ドル)の罰金が課せられたことを発表した。同社はこの問題についてコメントしていない。販売行為の実態は明らかにされていないが、再販売価格を安くしすぎたことが独占的行為にあたると見なされた模様。同通信は、中国当局の一連の医薬品産業における不正行為摘発の一環とみている。


ロイター通信は、国家開発改革委員会(NDRC)が、60か所におよぶ現地および多国籍企業の薬価設定について調査を行っていると報じた。


各社の状況を見ても、具体的な不正行為が明らかになっていないため、各社とも対応に悩むところのようだ。結局、中国当局は、医療費抑制を最終目的として薬価引き下げを狙っているとの見方が強いようだが、成長の期待の大きい中国市場特有なビジネス慣行のあるなかでのマイナスの側面を進出各社が経験しつつある時期に入ったとも言えそうだ。

 

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