サノフィと東邦HD 新幹線によるインスリン製剤の緊急輸送実証実験に成功 大規模災害を想定
公開日時 2026/02/26 04:49
サノフィと東邦ホールディングスは2月20日、JR東海及びJR西日本の協力のもと、新幹線を活用してインスリン製剤を被災地へ緊急輸送する実証実験に成功したと発表した。実証実験は、大規模災害時の道路通行規制やトラックドライバー不足を想定したもの。今回は、厳格な温度管理が不可欠なインスリン製剤を対象に、東邦HD子会社の東邦薬品が開発した定温搬送装置「サルム」を用いて、高度な品質管理が求められる輸送難易度の高いケースを想定して実施した。
実証実験は1月28日に行った。輸送区間は、東京にある東邦薬品の大規模高機能物流センター「TBCダイナベース」から、広島県の「TBC広島」。東京駅から広島駅間において、のぞみ号による新幹線輸送を実施した。輸送した医薬品はサノフィのインスリン製剤・ランタス。東邦薬品のサルムは、医薬品の輸送において重要となる厳格な温度管理を、外部電源なしで実現する高機能搬送装置。
実証実験の結果、東京駅から広島駅までの新幹線輸送を含む全行程で、運行遅延や温度逸脱は発生しなかった。サルム内の温度管理も正常に機能し、製品パッケージの破損や、数量の相違も認められず、スムーズな輸送が完了した。これにより、▽復旧対応力の高い新幹線の速達性・定時性、▽定温搬送技術――を組み合わせた物流オペレーションが、有事においても有効に機能することが確認できた。
◎「攻めのBCPを実現するべく、パートナーシップをさらに深化させる」
サノフィと東邦HDは、今回の肯定的な結果を受け、「今後、平時のみならず有事においても医薬品供給を途絶えさせない『攻めのBCP』を実現するべく、パートナーシップをさらに深化させる。業界の枠を超えた連携を推進し、より強靭で持続可能な医薬品供給体制の構築に一丸となって取り組む」としている。東邦グループは、サノフィと「BCP体制構築検討会」を通じ、大規模災害時の医薬品の安定供給体制(BCP体制)の構築に向けた検討を重ねている。