武田薬品 前立腺がん薬orteronel開発中止 P3で全生存期間の延長示せず
公開日時 2014/06/20 03:52
武田薬品は6月19日、日米欧で臨床第3相試験(P3)を実施した去勢抵抗性前立腺がん薬TAK-700(一般名:orteronel)について、開発を中止すると発表した。主要評価項目である全生存期間の延長が示されなかったことや、この患者層に対する他の治療選択肢が存在する点などを考慮して自主的に決定した。
Orteronelは同社の創製品で、経口の非ステロイド性選択的男性ホルモン合成酵素阻害薬。
グローバルで実施された2つのP3は▽化学療法未施行の転移性去勢抵抗性前立腺がん患者1565人、および▽化学療法実施中または実施後の転移性去勢抵抗性前立腺がん患者1099人が対象。いずれの試験もプレドニゾン併用下でorteronel群とプラセボ群を比較したところ、画像上での無増悪生存期間は有意に延長したものの、全生存期間の延長は示されなかった。同社は、同薬に関して安全性への懸念は認められていないとしている。
今後、治験担当医師や各地の規制当局と連携を取り、治験参加患者が適切な治療を受けられるように情報提供していく。2015年3月期連結業績予想に変更はないとしている。なお、同社は前立腺がん患者の標準療法であるホルモン療法薬としてLH-RH誘導体のリュープリンを手掛けており、現在同薬の6カ月間の持効製剤の開発を進めている。