アステラス米国法人 Xtandi3年間で40%増を見込む
公開日時 2014/10/31 03:50
アステラス製薬の米法人Astellas Pharma USは、前立腺がん治療薬・Xtandi(日本製品名:イクスタンジ、一般名:エンザルタミド)の発売を契機に、がん領域を今後3年間で売上の40%に引き上げる計画だ。
同社は、OSI Pharmaceuticalsを買収したことにより、前立腺がん治療薬Xtandiの発売で市場参入本格化を迎えている。Astellas Pharma USのJames Robinson社長は9月30日、ニューヨーク市で開催された会議の際のインタービューに対し、「2009年には腫瘍領域の売上はゼロだったが、13年には早くも10億ドルに達した」と話している。
アステラスの13年度(14年3月期)米国売上は対前年比14.6%増の28億6000万ドル。Xtandiの寄与が大きい。14年度決算では、米国の売上は、アステラスの連結売上の約23%を占めそうだ。
Xtandiは、化学療法後の転移去勢抵抗性前立腺がん(mCRC)の適応で、12年8月に承認されたが、今年9月には化学療法未治療のmCRCの適応追加を取得した。13年上半期の売上は、3億9930万ドル。Medivationは、米国でのXtandiの14年売上を6億~6億4000万ドルと予測している。
同適応では、ジョンソン・エンド・ジョンソンのZytiga(日本製品名:ザイティガ、一般名:アビラテロン)が11年には化学療法後のmCRCの適応、12年には化学療法未治療のmCRCの適応を取得。13年は17億ドルを売り上げている。
今後の市場動向として、Xtandiの適応追加により、一層の伸びが期待されるところ。両剤とも1日1回投与だが、Xtandiはステロイド併用が必須とされておらず、コンプライアンスの高さも期待されている。
Robinson社長は、「来年は少なくとも2桁成長したいと考えている。化学療法未治療の適応拡大がこの成長に火をつける」とした。その上で、アビラテロンの新規化学物質特許は16年4月に切れることから、「Zytigaの特許切れ後に我々のポジションを維持するために第一選択薬としてのXtandiをきちんと確立することを目標としている」とも語った。
(The Pink Sheet 10月13日号より)