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認知症患者の2割に抗精神病薬 微増傾向 医療経済研究機構2002~10年調査

公開日時 2014/11/10 03:51

認知症患者で妄想や幻覚、攻撃性などの周辺症状であるBPSDに対する抗精神病薬などの薬剤の日本での使用状況に関する研究成果を、医療経済研究機構は11月6日に発表した。同機構によると、諸外国ガイドラインではBPSDに対しては、第一選択は非薬物的介入。重度のケースに統合失調症などに用いる抗精神病薬が推奨されているが、死亡を含む重篤な副作用の発現リスクが上がることが指摘され、注意喚起されていることから、処方割合は近年大幅に減ってきているという。今回2008年~2010年のレセプト情報をもとに調べたところ、認知症患者の21%に抗精神病薬が処方されていたことが分かった。02年~04年の患者と比較すると、1.1倍増(調整済みオッズ比)と微増傾向が認められた。

 
日本では、抗精神病薬を含む向精神薬が認知症患者にどの程度使用されているのか、これまで報告がなかったとして、同機構の奥村泰之研究員らが研究を行った。2002年~2010年の社会医療診療行為別調査(レセプトを抽出して行う調査)データの二次分析し、65歳以上の抗認知症薬ドネペジルが処方さていた外来患者1万5591件を対象に分析を行い、「International Psychogeriatrics 誌オンライン版(2014年9月12日)」に掲載された。
 
日本の「かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン」では「対応の第一選択は非薬物的介入が原則」となっている。同研究でも、「外国で実施された無作為化比較試験の系統的レビューでは、抗精神病薬の中止方略や心理社会的介入により、抗精神病薬の処方割合が減少することが確認されている。抗精神病薬の処方割合を減らすためには、こうした介入が通常診療で普及するための支援が必要」としている。
 
一方、今回の研究では処方状況について副作用の発現が抑えられている第二世代(非定型)抗精神病薬への切り替えが見られたことを挙げ「BPSDは抗精神病薬の適応として承認されていないが、諸外国のプラセボ対照試験で有効性が認められている第二世代抗精神病薬の治験を国内においても推進することが喫緊の課題と考えられる」と指摘している。
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