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愛知医大・三鴨教授 高齢者肺炎球菌ワクチン接種はプレベナー13、ニューモバックスの順で

公開日時 2014/12/17 03:50

愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学の三鴨廣繁主任教授(写真)は、ファイザーが都内で開催したプレスセミナーで講演し、高齢者の肺炎予防には肺炎球菌ワクチンの接種率を高めることが重要であり、予防効果を最大化させるうえで13価肺炎球菌結合型ワクチン(製品名:プレベナー13)を先に接種し、次いで23 価肺炎球菌多糖体ワクチン(ニューモバックス)を接種することが望ましいとの考えを示した。 国内では、2014年6月にプレベナー13が65歳以上の高齢者での適応を取得し、2つの肺炎球菌ワクチンが使用できるようになった。この10月からはニューモバックスの定期接種が始まり、プレベナー13についても検討されている段階にある。

 

三鴨教授がプレベナー13を先に接種するのが望ましいとした理由は、結合型ワクチンであるため、T細胞を介した免疫応答が確立され、その後に接種するワクチンの免疫応答の増大も期待できるというものだ。一方、ニューモバックスは、プレベナー13に含まれない血清型を複数カバーしているため、両者を接種することで肺炎球菌感染症の6割超の血清型がカバーできる。

 

なお、この8月にプレベナー13が高齢者で定期接種化された米国では、米国疾病管理予防センター(CDC)の予防接種諮問委員会(ACIP)が、▽肺炎球菌ワクチン未接種の場合はプレベナー13を先に接種して6~12か月後にニューモバックスを接種▽以前ニューモバックスを接種している場合は1年以上経過してからプレベナー13を接種―を推奨している。この方針について三鴨教授は「科学的に検討された妥当な方針」との考えを示した。

 

◎低いワクチン接種率 肺炎への予防意識を高めて

 

高齢者の肺炎球菌ワクチンの接種環境が整備されてきている中、肺炎予防への意識の低さが課題となっている。ファイザーが65~70歳の男女600人を対象として11月に実施したインターネット調査では、健康寿命を損なう疾患として「肺炎」を挙げた人がわずか8%で、別の調査においても肺炎球菌ワクチンの接種率が65歳で3%、70歳でも14%にとどまっていた。三鴨教授は、肺炎が死因の3位に入る疾患であり、肺炎による死亡の97%を65歳以上が占めているとするデータを引き合いに、「認知症やがんだけでなく、肺炎などの急性期疾患にも意識を持って欲しい」と訴えた。

 

さらに、肺炎による医療費として外来でも3万5000円程度、入院の場合はおよそ30万円を要する点を指摘し、医療費適正化の観点からもワクチン接種などで積極的に予防していくことが重要と強調した。 

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