MSD 21価肺炎球菌結合型ワクチン・キャップバックス筋注を発売
公開日時 2025/10/30 04:49
MSDは10月29日、21価肺炎球菌結合型ワクチン・キャップバックス筋注シリンジを発売した。成人の肺炎球菌感染症予防に特化して設計されたワクチン。高齢者及び肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる成人における肺炎球菌感染症の新たな予防手段となる。任意接種で用いる。
キャップバックスは21種類の肺炎球菌血清型に対応し、成人の侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の原因として多くみられる21種類(3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33F及び35B)の肺炎球菌血清型に対応しており、そのうち8種類(15A、15C、16F、23A、23B、24F、31、35B)は、これまでに承認されている肺炎球菌ワクチンが対応していない、本剤固有の血清型となる。
同社のプラシャント・ニカム社長は、「キャップバックスは、当社が長年にわたって蓄積してきた肺炎球菌感染症に対する深い理解と知見に基づいて開発された」とし、「成人に特化して設計されたキャップバックスは、成人におけるIPDの大半の原因血清型に対応しており、この新たな予防の選択肢を日本の人々に提供できることを誇りに思う」とコメントしている。
なお、厚労省の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会は10月23日、キャップバックスの定期接種について、同部会のワクチン小委員会における今後の議論の結果を踏まえ、「高齢者に対する肺炎球菌感染症の定期接種におけるPCV21(=キャップバックス)に係る論点について議論」することが確認された。