米FDA 9価HPVワクチンのガーダシルを承認
公開日時 2014/12/18 03:50
米食品医薬品局(FDA)は12月10日、米Merck Sharp & Dohme社(米メルク子会社、本社:ニュージャージー州ホワイトステーション)の9価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンGardasil 9を承認した。同剤は3回接種で、初回後の2か月後、6か月後の投与が求められている。
適応症は、HPV16、18、31、33、45、52および58型の感染によって引き起こされる9~26歳の女性の子宮頚がん、外陰がん、膣がんおよび肛門がんの予防、ならびに9~15歳の男児の肛門がんの予防である。これに加え、HPV6型もしくは11型による陰部疣贅の予防となっている。Gardasil 9 の承認により、子宮頸がん、外陰がん、膣がんおよび肛門がんの約90%に予防が可能となった。既存のGardasil(4価HPVワクチン)が対応できなかった子宮頸がんの約20%の原因であるHPV31、33、45、52および58型の5つのHPV型が加わった。
子宮頚がん、外陰がんおよび膣がんの予防効果については、米国および海外において16~26歳の1万4000人の女性を対象とした無作為化比較試験で検証された。被験者は、Gardasil もしくはGardasil 9を投与された。Gardasil 9は、同ワクチンで新たに追加されたHPV31、33、45、52および58型による子宮頚がん、外陰がんおよび膣がんの予防に被験者で97%の効果を示した。さらに、同ワクチンは、HPV6、11、16および18型に起因する、これら疾患の予防には、既存のGardasilと同等の効果を示した。安全性は、約1万3000例の男女で検証され、主な副反応は、注射部位痛、注射部位の腫脹、発赤、頭痛など。
FDAのKaren Midthun生物製剤評価研究センター長は、「ワクチン接種は、HPVによって引き起こされる殆どの子宮頸がん、外陰がん、肛門がんのリスクを低下させるための重要な公衆衛生対策である」と述べたうえで、「Gardasil 9の承認は、HPV関連がんに対する幅広い予防手段を提供する」と同ワクチンの登場を歓迎した。