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中医協総会 地域包括ケア病棟は「基幹型病院」「地域密着型病院」の2区分で報酬体系整備

公開日時 2015/10/29 03:51

中医協総会が10月28日開かれ、地域包括ケア病棟の診療報酬上の評価について議論した。診療側の鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)は、日本医師会・四病院団体協議会からの提言として、基幹型病院と地域密着型病院との機能の違いに着目した2つの区分を設定し、それぞれの機能にふさわしい報酬体系の整備を求めた。病床数200床をひとつの目安とする考え方も示した。地域包括ケア病棟をめぐってはポストアキュート(亜急性期)の機能を果たす一方で、サブアキュート(軽症急性期)の機能を十分満たしていないことも指摘されている。次回16年4月改定では、診療報酬上の包括範囲の見直しを進めることで、サブアキュートの機能を強化したい考えだ。


14年4月改定で新設された地域包括ケア病棟は、急性期後の受け入れとともに、在宅医療、介護施設などからの急性増悪の受け入れ、在宅・生活復帰の支援を担い、地域医療を根幹から支えることを目的としている。ただ、14年4月改定で急性期病床の削減の方向性が明確になる中で、200床以上の基幹型病院などでは、看護配置7対1の急性期病床から転床されたケースも少なくない。厚労省はこの日の中医協総会に報告した「地域包括ケア病棟届出医療機関の特徴」から、200床以上の医療機関で看護配置7対1の一般病棟入院基本料を算定する割合が高いことがわかる。一方で、地域包括ケア病棟入院患者は骨折・外傷などのリハビリテーションを目的としたケースが特に多く、手術件数は少ないなど、急性期医療を十分担っていないことも示した。


これに対し診療側の鈴木委員は、日本医師会・四病協の提言「地域包括ケア病棟の在り方(病院機能の視点から)」を説明するなかで、許可病床200床以上の大病院と、中小病院では担う機能が異なると指摘した。


中小病院では、高齢者の急性増悪や地域包括ケアにおける在宅療養支援などの機能を評価する必要性を強調した。急性期病床をもたずに地域包括ケア病棟を算定する医療機関については、サブアキュートに求められる手術が現行の点数では不採算になるなどの理由から、新たに診断群に応じた報酬体系を新設し、地域包括ケア病棟のみを届け出た場合に算定できるよう提案した。


一方、地域の基幹的な役割を担う病院については、地域包括ケア病棟を有することで、病院内で医療を完結させてしまうことが指摘されているところ。病院機能の分化、明確化の観点から「地域包括ケア病棟入院料を算定できる病棟は一病棟に限ること」も提案された。


鈴木委員は、病院機能の分化の必要性を強調。「二次医療圏の中で地域の最後の砦となる、総合入院体制加算を取得するような病院が必要だ。大病院は、高度急性期、急性期に特化して機能分化を果たしていただきたい」と説明した。また、大病院が地域包括ケア病棟をもつことで、患者の抱え込みにつながるとの懸念を示し、「地域連携の観点から課題ではないか」と述べた。


一方で、地域の中小病院もポストアキュート(亜急性期)に偏っていることを指摘し、サブアキュートを担う医療機関も含め、中小病院も機能分化が必要との考えを示した。


日本医師会の中川委員は、地域包括ケア病棟は、看護配置7対1の急性期病床削減が示される中で、受け皿としてだけではなく、中小病院が急性期から回復期まで幅広い機能を果たすことが大きいが、「包括範囲の問題もあり、十分に機能を果たせない。なんとか見直して十分に機能を果たしてもらえるよう検討してほしいという提言」と説明した。

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