メディパルHD・渡辺社長 医療機器・材料の管理コード標準化検討 需要増見込み流通効率化
公開日時 2016/11/02 03:50
メディパルホールティングス(HD)の渡辺秀一社長は11月1日、本社で行った17年3月期第2四半期決算説明会で、今後流通を強化する医療機器・材料について、管理コードの標準化を検討していることを明らかにした。管理コードが標準化されておらず、医療施設では多品種のわたる機器・材料の管理に課題がある一方、機器・材料については在宅医療などの広がりで需要増が見込まれる。多くの医療施設でコードを普及させることで受発注業務、物流管理の効率化を狙う。
同社の2016年度からの3カ年中期ビジョンでは、グループ内の医療機器卸事業を拡充し、収益貢献できる事業に改めていく方針。同社は13年に医療材料データベースを構築・提供している企業のメディエを完全子会社化し、管理コードが標準化されていない現状に鑑み、医療材料の管理コード標準化を目指すとしていた。
渡辺社長は1日の説明会で、メディエとともに「コードの一斉見直しをやっている」と明かし、「今までのように人海戦術ではできないだろう。管理するためのコードを誰がつくるのかという根っこのところをやっている」と説明した。さらに「病院のニーズは(医薬品と医療機器・材料を)同時に管理し、納品してほしいということ」にあるとし、それを受けて傘下のアトルが7月に稼働させた福岡ALCで一括受注・配送を実現したことに触れ、医療機器・材料を含めた「サプライチェーンの最適化が要求されるような時代になってきた」との認識を示した。
17年3月期第2四半期 医療用薬卸事業は1.1%減収 薬価改定とC肝薬需要減などで
メディパルHDは10月31日が発表した2017年3月期第2四半期(4月~9月)決算で、医療用医薬品卸売事業の売上高は、薬価改定とC型肝炎治療薬に対する需要一巡、販売価格も当初水準を下回ったことで1.1%減となった。営業利益は91億3900万円、1.5%増だが、売上高とともに計画を下回る結果となった。価格妥結率は2年前と同水準の92.7%。通期業績予想は、今後も同様の市場環境で推移するほか、新規ALCなどの投資もかさむことから、同事業の売上高は2兆1180億円、0.3%減、営業利益は195億円、20.5%減を見込む。
【16年度中間期の連結業績(前年同期比)16年度予想(前年同期比)】
売上高 1兆5304億0300万円(3.0%増) 3兆0900億円(2.0%増)
営業利益 208億3600万円(13.0%増) 400億円(5.4%減)
純利益 140億6600万円(11.3%増) 305億円(0.9%減)
医療用医薬品卸売事業
売上高 1兆0269億4900円(1.1%減) 2兆1180億円(0.3%減)
営業利益 91億3900万円(1.5%増) 195億円(20.5%減)