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腹腔鏡手術に8K応用へ 国がん、NHK、オリンパス、NTTデータが実用化研究

公開日時 2016/11/16 03:52

国立がん研究センター、NHKエンジニアリングシステム、オリンパス、NTTデータ経営研究所は11月15日、8Kスーパーハイビジョン技術を用いた新しい腹腔鏡手術システムの実用化に向けた共同研究を開始すると発表した。日本医療研究開発機構が研究費を支援する。実用化できると、例えばがん手術がより精密かつ繊細に行えるようになって安全性と治癒率が一層向上し、治癒率向上によって医療経済への貢献も期待できるとしている。日本発の医療機器の振興を図り、国内外での普及や国際競争力を確保するねらいもある。

発表によると、「治癒率向上により、再発後の分子標的薬を含む高額な薬物療法の必要な患者を減らし、また合併症の減少により術後在院日数の短縮へとつながることが期待される」としている。

■国家プロジェクトとして推進

次世代放送技術である8K技術はNHKが開発した日本発のもの。従来のハイビジョン(=通常のデジタル放送)の16倍の超高精細画像を可能とし、その密度は人間の網膜に迫るとされる。今回の共同研究は、8K技術を医療応用する初の国家プロジェクトと位置付けられている。

2017年度中に試作品を作り、人を対象とした試験の開始を目指す。また、得られた腹腔内の臓器映像やがん腫の微細構造の観察画像と、実際に切除して得られた標本の病理学的解析結果の対比を組み合わせた高精細映像を症例ごとにデータベース化し、関係学会の助言を受けつつ新規診断法開発への活用も検討する。そして、18年度には実用化・普及に向けた具体的な計画などの取りまとめを行う。

腹腔鏡手術の件数は近年、急速に増えている。しかし、画像が手術の質に影響し、手術操作の制限や死角が発生することで、開腹手術と同等の質が担保できないといった課題もある。腹腔鏡の術中の臓器損傷の発生率が開腹手術の2倍にのぼるとの報告もある。

今回の共同研究では、光学性能の改善、カメラの更なる高感度化・小型軽量化、8K技術による広域表示と術者の意向に従ったズームアップの表示を同時に実現することなどに取り組む。8K技術ではズームアップ後も解像度が落ちないという。

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