協和キリン・17年第2四半期 国内医薬3.1%減 薬価改定とGE浸透で 下期は一部で上振れ見込む
公開日時 2017/07/31 03:50
協和発酵キリンが7月28日に発表した2017年12月期第2四半期(1~6月)決算は、新製品の売上を伸ばす一方、薬価改定や後発医薬品(GE)の浸透による長期収載品への影響が大きく、医薬セグメントの国内売上高は983億円、前年同期より3%減となった。
国内では、持続型G-CSF製剤ジーラスタ、パーキンソン病治療薬ノウリアスト、DPP-4阻害薬オングリザといった新製品の売上はいずれも10%以上の増収となった。しかし、最主力品で腎性貧血などに用いるネスプは、薬価改定で汎用規格が7.6%の薬価引き下げを受けたことが影響し3%減。抗アレルギー薬アレロック、高血圧症・狭心症治療薬コニールなど長期収載品がGEによる浸食を受けて売上を減らし、減収につながった。
ただ下期は、一部製品で上振れを見込んだ。その中でアレロックは通期計画を13億円引き上げ154億円、二次性甲状腺機能亢進症治療薬レクパラは5億円引き上げ183億円、パタノールは7億円引き上げ128億円に、それぞれ上方に修正。通期計画では、国内売上は18億円引き上げ1958億円としたが、前年同期比では3%減。
海外事業を含む医薬事業は、アストラゼネカからのベンラリズマブ関連収入により、技術料収入が53億円増の61億円となった影響が大きく、売上高は1357億円、2.6%増。営業利益は207億円、77.7%増となった。通期では増収、営業増益を見込む。
【連結実績(前年同期比) 17年通期予想】←修正前
売上高 1756億8500万円( 0.9%増) 3470億円( 1.2%増)←3440億円
営業利益 241億2700万円(57.3%増) 390億円(23.3%増)←350億円
経常利益 220億4400万円(61.1%増) 350億円(32.6%増)←300億円
当期純利益 136億7000万円(27.0%増) 210億円(12.5%増)←190億円
【主要製品売上(前年同期実績) 17年通期予想、億円】←修正前
ネスプ 266(274)564←572
エスポー 6( 8) 12←11
レグパラ 94( 94)183←178
ロカルトロール 19(21)37←36
オングリザ 33( 29) 75←77
コニール 32( 40) 63
ジーラスタ 81( 74)176←178
グラン 15( 29) 32←30
フェントス 28( 29) 61
ポテリジオ 9( 9) 18←17
ロミプレート33( 30) 29
アレロック 91(108)154←141
パタノール 88( 90)128←121
アサコール 20( 24) 40
ドボベット 26( 29) 52←48
ノウリアスト72( 53) 85←87
デパケン 32( 37) 65←66
ナウゼリン 11( 14) 25
ルミセフ 2(なし) 8
技術料収入 61( 7) 74