仏サノフィ 米バイオベラティブ社を買収、116億ドルで 日本法人の統合スケジュール「未定」
公開日時 2018/01/26 03:51
仏サノフィは1月25日、日本法人を通じて、血友病をはじめとする希少血液疾患領域に強みを持つ米バイオベラティブ社を116億ドルで買収すると発表した。両社の取締役会で、全会一致で承認された。サノフィによるバイオベラティブ株式の公開買い付けは2月から開始し、3か月以内に完了する見込み。
サノフィ日本法人の広報部によると、日本法人同士の統合スケジュールや組織形態は未定という。サノフィはこれまでに、希少疾患を手掛けるジェンザイムを買収したが、その際、グローバルでは2011年に買収が完了し、その5年後の16年に日本法人での合併が行われている。
サノフィはバイオベラティブの全ての発行済み普通株を1株あたり105ドルの現金で取得する。これは1月19日終値に対して64%を上乗せした額になる。
サノフィは、バイオベラティブの買収により、「希少血液疾患事業の成長基盤を得ることでスペシャリティケア領域でのサノフィのプレゼンスが高まり、希少疾患におけるリーダー企業としての地位がさらに強化され、患者さんのニーズに応えることが可能になる」としている。また、グローバルでフェーズ3(P3)試験段階にある、インヒビター発現例を含む血友病A患者および血友病B患者に対するRNA干渉治療薬fitusiran(一般名)の開発に、バイオベラティブが持つ経験や営業基盤を活用するねらいもある。ただ、この試験に日本は参加していない。
バイオベラティブは17年にバイオジェンから分社、独立し、血友病を中心に事業展開しているバイオ医薬品企業。半減期延長型製剤として、血友病A治療薬イロクテイト静注用(海外製品名:Eloctate)と血友病B治療薬オルプロリクス静注用(同Alprolix)を販売している。両剤は上市時に約20年ぶりの新たな血友病薬として登場し、日本でも販売中。バイオベラティブの16年売上は8億4700万ドル。
バイオベラティブのジョン・コックスCEOはサノフィ傘下に入ることについて、「サノフィは高い能力とグローバルなインフラをもち、私たちの医薬品の全世界でのアクセスを速やかに確保し、希少血液疾患の患者さんの生活を改善するという私たちの使命を実現できると信じている」と述べている。