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キッセイ ユリーフAGを事業化へ 17年度医薬品事業は4%増収、ユリーフやピートル好調

公開日時 2018/05/09 03:51

キッセイ薬品は5月8日、2018年3月期(17年度)決算を発表し、医薬品事業の売上は638億9100万円、前期比4.0%増だった。主力品の排尿障害治療薬ユリーフや高リン血症治療薬ピートル、腎性貧血に用いるバイオシミラーのエポエチンアルファBS注JCRなどが伸長し、長期収載品の減収をカバーした。18年4月の薬価改定で同社として10%台のマイナス影響があることなどから、18年度の医薬品事業は売上610億円、前期比4.5%減を計画している。

ユリーフは新薬創出等加算を得たこともあり、18年度は売上177億円、前期比2.7%増を見込む。ただ、同剤は18年12月に物質特許が満了し、同社は19年6月にジェネリックが参入するとみている。

自社創製品であり、同社売上トップ製品でもあるユリーフの19年度以降の減収影響を最小化することが経営課題となるが、同社の竹花泰雄・常務取締役経営企画部長は同日、専門誌・紙を対象にした決算会見で、「ユリーフのAG(=オーソライズド・ジェネリック)の事業化を考えている」と述べ、同剤のAGを前向きに検討していることを明らかにした。「具体的な体制や内容は控えたい」とも話し、AGを通常のジェネリック(GE)と同時期に投入するのか、GEの発売前に投入するのかなど詳細は明かさなかった。

■過活動膀胱治療薬ビベグロンを18年度発売予定

ユリーフは前立腺肥大症による排尿障害治療薬として最もよく使われているα1遮断薬市場で売上トップシェア製品。同社によると、共同販売先の第一三共との合計で市場シェアは57%を占める。キッセイは18年度もユリーフのシェア拡大に取り組み、泌尿器領域でのプレゼンスをより高めることで、18年度中の発売を予定している過活動膀胱治療薬ビベグロンの円滑な市場導入につなげる戦略を描いている。

なお、17年度の連結業績は売上740億円(前期比3.2%増)、営業利益98億円(16.4%増)、親会社帰属純利益90億円(17.1%増)――の増収、2桁増益だった。

18年度は717億円(3.1%減)、営業利益79億円(20.1%減)、親会社帰属純利益66億円(27.0%減)――の減収、2桁減益を見込む。薬価改定、GEの更なる市場浸透、糖尿病薬グルファストの新薬創出等加算の返還に加え、18年度薬価制度抜本改革で新たに導入された後発品収載後10年を経過するなど一定要件を満たした長期収載品の薬価を後発品価格の2.5倍まで引き下げる「G2区分」のベザトール、ウテメリンの3割超の減収見込みが、業績全体に響く。

【17年度連結業績(前年同期比) 18年度予想(前年同期比)】
売上高740億900万円(3.2%増) 717億円(3.1%減)
営業利益98億8700万円(16.4%増) 79億円(20.1%減)
経常利益114億1400万円(18.4%増) 89億円(22.0%減)
親会社帰属純利益90億4500万円(17.1%増) 66億円(27.0%減)

【17年度の主要製品売上(前年同期実績) 18年度予想、億円】
ユリーフ 172(161) 177
グルべス 44(42) 46
グルファスト 27(36) 15
ピートル 42(30) 58
サラジェン 15(15) 16
レクタブル 2(-)5
エポエチンアルファBS注JCR 60(57) 56
ベザトール 25(30) 17
ウテメリン 19(22) 11
キサンボン 4(5) 3
リザベン点眼液 9(11) 8
リザベン 8(9) 3
ドメナン 1(1) 1
フラグミン 1(2) 1
ゾラデックス1.8mgデポ 5(5) 5
フルスタン 5(6)4
注)1億円未満切捨て

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