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17年度の国内医療用薬市場 10兆5154億円、前年度比0.8%増 1000億円超に3製品

公開日時 2018/05/23 03:51

IQVIAは5月22日、2017年度(17年4月~18年3月)の国内医療用医薬品市場が薬価ベースで10兆5154億円、前年度比0.8%増だったと発表した。10兆円超は3年連続。病院市場、開業医市場、主に調剤薬局で構成する「薬局その他市場」(以下、薬局市場)の3市場全てで前年度を上回った。年間売上1000億円超のブロックバスター製品は抗がん剤アバスチン、がん免疫療法薬オプジーボ、抗潰瘍薬ネキシウムの3剤。ネキシウムが新たに加わった一方で、前年度、前々年度と2年連続で売上トップだったC型肝炎治療薬ハーボニーは、17年度に500億円を下回り、10位圏外となった。

文末の「関連ファイル」に医薬品市場全体、上位10薬効、売上上位10製品などの資料を掲載しました(5月23日のみ無料公開、その後はプレミア会員限定コンテンツになります)。


2年に1度の薬価改定の谷間にあたる17年度は市場成長したものの、前回の谷間の年の15年度の8.8%増、さらにその前の13年度の4.8%増に比べると、その伸び率は小さい。17年度を市場別にみると、100床以上の病院市場は4兆5225億円(前年度比1.2%増)、99床以下の開業医市場が2兆1719億円(1.0%増)、調剤薬局市場が3兆8209億円(0.3%増)――だった。

■製品別売上1位にアバスチン

製品別売上トップ10製品をみると、1位アバスチン(1145億円、3.2%増、前年度3位)、2位オプジーボ(1026億円、13.5%減、2位)、3位ネキシウム(1021億円、3.3%増、4位)、4位疼痛薬リリカ(936億円、8.7%増、5位)、5位抗リウマチ薬レミケード(807億円、3.5%減、6位)、6位抗凝固薬イグザレルト(708億円、5.3%増、10位)、7位糖尿病薬ジャヌビア(671億円、5.2%減、9位)、8位降圧剤アジルバ(656億円、7.1%増、10位圏外)、9位腎性貧血治療薬ネスプ(644億円、0.4%増、10位圏外)、10位消炎鎮痛薬モーラス久光分(640億円、0.3%減、10位圏外)――。

このうちオプジーボの2ケタ減収は、17年2月に緊急的に薬価が50%引き下げられた影響が大きい。

今回10位圏外となった製品は前回1位のハーボニー、前回7位の降圧剤オルメテック、前回8位のC型肝炎治療薬ソバルディ――の3剤。

IQVIAは上位10製品しか売上を開示していないが、製品によっては伸び率を開示している。ハーボニーは前年度1647億円、17年度は71.5%減だったことから計算すると、17年度売上は469億円となり、差し引き1177億円の大幅減収となった。これは12週の投与でほとんどの患者で根治が期待できることから、市場が急速に縮小したためと考えられる。ソバルディも同様の理由で5割減、オルメテックは後発品が参入して3割減となった。

■抗腫瘍薬市場 会計年度で初めて1兆円突破

上位10薬効をみると、12年度からトップの抗腫瘍薬市場は17年度に1兆1165億円(8.3%増)となり、会計年度でも初めて1兆円を突破した。薬効内トップ製品は交代し、アバスチンが再びトップに立った。2位はオプジーボ。レブラミドは24.8%増で3位となったほか、分子標的薬のサイラムザ、タグリッソ、がん免疫療法薬キイトルーダは「大幅に売り上げを伸ばした」(IQVIA)。

薬効別で2位は糖尿病治療薬で5503億円(4.6%増)、3位はレニン-アンジオテンシン(RA)系作用薬で4366億円(12.4%減)――。RA系作用薬の市場縮小はオルメテックやミカルディスの特許切れ影響によるもので、ミカルディスは単剤で50%の減収、配合剤でも46%の減収だった。

■企業別売上 トップは引き続き武田 アステラスは11%減

企業別の売上ランキング上位20社を見てみる。医薬品卸に製品を販売し、その代金を回収する機能を持つ「販売会社」ベースでは、売上トップ3社の順位、顔ぶれは変わらず、1位は武田薬品(7018億円、1.4%増)、2位は第一三共(6774億円、7.4%増)、3位はアステラス製薬(5282億円、11.2%減)――だった。アステラスの2ケタ減収はミカルディス特許切れの影響が大きい。

2ケタ成長したのはキイトルーダを手掛けるMSDと後発品専業企業の沢井製薬の2社。MSDはランキング6位で売上3632億円、16.0%増。沢井は19位にランクインし、売上1663億円、11.4%増だった。後発品専業企業では日医工の17位と上位20社にランクインし、売上1696億円、8.7%増だった。

なお、順位を上げた企業は8社(内資系6社、外資系2社)、下げた企業は4社(同2社、2社)、横ばい8社(同4社、4社)――。

販促会社が2社以上の場合、製造販売を持っているなどオリジネーターにより近い企業に売上を計上する「販促会社」ベースでのランキングは、1位~4位の顔ぶれ、順位は変わらない。1位ファイザー(5661億円、1.6%減)、2位第一三共(4863億円、0.2%増)、3位中外製薬(4849億円、3.4%増)、4位武田薬品(3896億円、11.5%減)――だった。ミカルディスの大幅減収の影響が出た日本ベーリンガーインゲルハイムは売上2148億円、17.4%減と厳しい業績となった。

順位を上げた企業は9社(同4社、5社)、順位を下げた企業は4社(同1社、3社)、横ばい7社(同3社、4社)――だった。

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