IQVIAとVeeva Systems コマーシャル・臨床開発の各分野でパートナー締結 法的懸念事項は全て解決
公開日時 2025/09/12 04:50
Veeva Japanは9月11日、米IQVIAと米Veeva Systemsがコマーシャル分野および臨床開発分野におけるグローバルパートナーシップを締結したと発表した。この契約を通じ、製薬企業など両社の顧客はVeevaとIQVIAのソフトウェア、データ、テクノロジー、サービスを効率的に組み合わせて利用することが可能となる。両社はまた、今回の発表に際し、両社間で継続した訴訟など法的懸念事項をすべて解決したと発表した。
◎顧客環境において両社のデータを顧客のソフトウェアやサービスで活用できる
今回のグローバルパートナーシップ締結で、IQVIAとVeevaとの連携が容易になるという。両社の発表によると、コマーシャル分野については、マスターデータとソフトウェアの第三者アクセス(TPA)に関する契約を締結したことで、顧客環境において両社のデータを顧客のソフトウェアやサービスで活用することができる。
具体的には、Veeva Networkでのマスターデータ管理(MDM)やVeeva Nitroでの分析、 Veeva AIでIQVIAのデータが利用可能になる。一方でIQVIAのコマーシャル製品・サービスにおけるVeevaデータの利用に加え、Veevaのテクノロジー、AI、Services Partner Programsに参加し、同社のソフトウェアとIQVIA Analytics、IQVIA Information Management(MDMを含む)、IQVIA Agentic AI、IQVIA Commercial Orchestrationなどの各製品やサービスとの統合を支援する。両社は、「これらのパートナーシップと包括的なマスター契約により、顧客はプロジェクトにおける TPA取得プロセスを迅速かつ容易に進められるようになる」と強調する。
また臨床研究部門については、IQVIAは、VeevaのCRO Clinical Data Partnerプログラムに参加し、Veeva Clinical Suiteを活用することで、Veeva EDC によるスタディ構築も含めて同社のソフトウェア製品を用いた臨床試験の実施が可能になった。
顧客は IQVIA のクリニカルデータマネジメント、クリニカルテクノロジーソリューション、EDCプログラミングに関する専門知識を、Veeva のソフトウェアと組み合わせることで、データベース構築、スタディロック、データデリバリーといったプロセスを加速させることが可能となるという。
◎Veeva・Gassner創業者兼CEO「共通の顧客と業界全体に貢献することを約束する」
VeevaのPeter Gassner創業者兼CEOは、「IQVIA との製品・サービスの統合を円滑に進めることで、共通の顧客と業界全体に貢献することをお約束する。今回の臨床開発とコマーシャル分野でのパートナーシップが、顧客に大きな価値をもたらすことを楽しみにしている」と述べた。また、IQVIA のAri Bousbib会長兼CEO は、「(今回の)パートナーシップは両社の顧客にとって、情報、AI、テクノロジー、サービスにおける最高水準のケイパビリティを結集するもの。これによりIQVIAの顧客はVeevaプラットフォーム上で臨床開発を加速し、治療薬をより効率的に市場に投入し、イノベーションへの患者アクセスを向上できる」と強調した。