【World Topics】デジタルヘルスで医療費抑制?
公開日時 2018/06/18 03:50
恒例のMary Meekerのインタネット・トレンド・レポートが今年も注目されている。
https://www.recode.net/2018/5/30/17385116/mary-meeker-slides-internet-trends-code-conference-2018
2017年はスマートフォンの出荷台数が史上初めて頭打ちになったことで歴史に残る年となった。同様にインタネット・ユーザーの伸び率も鈍化(2016年の12%から7%に)したと報告されている。
相変わらず伸びているのが米国の医療費だ、とは、Mary Meekerの指摘を待つまでもないが(今年も指摘しているが)、デジタルヘルスやテレヘルスが医療供給体制を効率化し、コストの無駄を省いて医療費を抑制するエンジンになるのではないか、というのがMaryの今年の予測である。
Mary Meekerが上げているトレンド・セッターは、メンバーに予約なしで即日受信可能な診療マッチングサービスから専門医の紹介、各種相談事業まで幅広いサービスで急成長を続けるOne Medical(https://www.onemedical.com)、ユニークな医療保険ベンチャーのOscar(https://www.hioscar.com)、女性顧客をターゲットとするオンライン薬局Nurex (https://www.nurx.com)など。いずれもデジタル化で従来のサービス供給体制を大幅に効率化し、価格体系の透明化や低価格化、顧客の個別ニーズへの細やかな対応などを可能にしている。
ベンチャーとの提携で大手病院グループも経費削減に動き始めた。St.Luke University HospitalはテレヘルスのAmerican Well(https://www.americanwell.com )と提携し、生命に危険のある救命救急措置(Emergency Care)まで至らない救急医療(Urgent Care)への対応をアウトソースし、ERの経費削減と同時に効率的でタイムリーな対応によるケアの質の向上と患者満足度の向上をめざしている。(医療ジャーナリスト 西村由美子)