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NEC 創薬事業に本格参入 免疫療法に特化 欧米で個別化がんワクチンを共同開発へ

公開日時 2019/05/28 03:50

NECは5月27日、自社のAIを活用し、がんなどを対象にした免疫療法に特化した創薬事業に本格参入すると発表した。まずは、ウイルスベクターに強みを持つ仏・トランスジーン社と、がんワクチンの共同開発を行う。NECのAIを使うことで、患者ごとに免疫反応が強い抗原を予測し、その情報をもとにトランスジーンが患者ごとにワクチンを製造する。両社は19年中にフェーズ1治験を欧米で始める。実用化のめどは開示していない。現時点で日本での開発計画はないとしている。

NECの執行役員・ビジネスイノベーションユニット担当の藤川修氏は同日の記者会見で、「私たちは、AIを用いた免疫治療領域のイノベーションFirm(会社)になる」と宣言した。同社は、自社のAI技術群である「NEC the WISE」を活用し、診断支援技術の開発などヘルスケア事業を戦略的に強化しており、今回創薬事業に乗り出した。

共同開発の対象疾患の1つは標準治療後に再発した卵巣がん。米と仏で実施予定。もう一つは頭頸部がん。初期治療の効果不十分な患者を対処に、標準療法との併用で、英と仏で実施予定。アンメットメディカルニーズの高さや、この治療法の実用化の可能性から両腫瘍を対象にした。開発コードは「TG4050」。

具体的には、患者から採取した血液検体から解析した遺伝子情報をもとに、NECは、ワクチン製造に必要な免疫反応を強く誘導するがん抗原(「ネオアンチゲン」)の選定を、1人ひとりの患者ごとに行う。その選定・予測を基にトランスジーンは、有効性が高いと判断した複数のがん抗原からなるワクチンを製造する。NECによる患者特異的ながん抗原の選定と予測精度の高さが、提携の決め手となった。

NECは、ワクチン製造に必須の情報を提供する役割を担うことになる。診断や創薬の支援や技術のライセンスアウトとは異なり、NECのAIが、ワクチン製造過程に組み込む形で活用される。

NECは、がんのほか感染症、自己免疫疾患を対象に、事業提携をベースに事業化する方針。投資規模は非開示。創薬事業の目標には売上や利益は示さず、後期開発品を増やすことで2025年には市場で3000億円の価値があると判断される事業に育てたいとしている。

NECの藤川修・執行役員(写真右)は会見で、「多くのIT企業が、AI、ITツールを使い予防、診断、創薬支援でサービスを手掛けてきた。しかし今回、NECはこれらの活動とは一線を画す。AIエンジンやITツールを使い、自ら薬を作り、患者さんに医薬品を届けたい」と抱負を語った。現時点で日本での事業計画はないとしたが、除外しているわけではないとした。

仏・トランスジーン社の最高科学責任者のエリック・ケメナー氏(写真左)は会見で、「日本企業との戦略的パートナーシップは初めてである。NECをパートナーとして選んだのは純粋に技術力の高さである。重要な腫瘍抗原の検出(・予測)する技術は素晴らしい」と話した。

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