米FDA ノバルティスのゾルゲンスマで動物実験データ操作 販売は継続
公開日時 2019/08/08 03:51
米FDAは8月8日、ノバルティスの遺伝子治療薬・ゾルゲンスマについて動物実験のデータが操作されていたと発表した。ゾルゲンスマはノバルティスが18年に買収したアベクシスが申請し、5月24日に脊髄性筋萎縮症(SMA)治療薬として米FDAに承認され、約2億3200万円と高額であることも注目を集めた。米FDAは、操作されたデータはごく一部で、同剤の安全性・有効性については影響ないと説明。現時点では市場での販売継続を認めた。
アベクシスは同製品の承認前から、特定の動物実験の手順でデータ操作の問題を認識していたが、米FDAには承認後の6月28日まで開示しなかった。問題となっているアッセイは、最初のテスト段階で使用されたものであり、現在上市されている製品には使用されていないとしている。問題となるデータもごく一部であることから、米FDAは、ヒトを対象に実施された臨床試験データに基づく肯定的な評価を覆すものではないとしている。ただ、同社は今後、民事制裁金を含む民事・刑事的な責任を問われる可能性がある。