米・HHSとFDA カナダからの医薬品輸入計画案を発表
公開日時 2019/08/09 03:50
米トランプ大統領は、薬価抑制策の一環として、かねてから医療用医薬品の輸入を提言していたが、HHS(米保健福祉省)とFDA(食品医薬品局)は、7月31日、医薬品のカナダからの輸入についての骨子案ともいうべき、「安全な輸入についてのアクションプラン」(Safe Importation Action Plan)として以下の2案を提言した。
▽HHSとFDAが、連邦食品医薬品化粧法(FD&C Act)に基づき、輸入について新たな規制を設け、各州が承認したパイロットプロジェクトとして、医薬品卸業者や薬局が医薬品をカナダから輸入する。輸入製品は米国国内でのFDA承認要件と合致することが要求される。同パイロットプロジェクトにおいては、米国民の公衆衛生および安全確保に支障がないことに加え、消費者にとって医療費節減を示すことを条件とする。
▽FDAは輸入ガイダンスを策定する。FDAは、製造業者に対して、薬価については、現在、医薬品卸と契約している価格より安い価格とすることを求める。また、新規の全米医薬品コード(National Drug Code)を使用することを求める。同NDCを使用することにより、FDAと製造業者は、輸入品の添付文書が米国内で市販されている製品と同一の内容であることを確認する。医薬品を安価にする輸入により、インスリン、関節リウマチ治療薬、抗がん剤など高価な医薬品の負担をしている患者には恩恵が大きい。
FDAのNed Sharpless長官代理は、「本日の提案は、一定の処方せん薬の安全な輸入を行うことができるパスウェイ(方法)を見つけるためにFDAの献身的な職員がHHSおよびホワイトハウスと緊密に連携し、一生懸命努力した結果である」と述べた。そのうえで、「我々は、公衆衛生と安全にこれ以上のリスクがないような輸入方法を確保することに集中してきた」とコメントした。さらに、同長官代理は、2つの同輸入案についてパブリックコメントを募集、数か月以内に正式な提言を行うことを明らかにした。