スズケン PHR・ePROで成長するWelbyと資本業務提携 新たな協業・ビジネスモデル検討へ
公開日時 2019/11/07 03:52
スズケンは11月6日、PHR(パーソナル・ヘルスレコード)やePRO(電子的患者報告アウトカム)のビジネスで急成長しているWelbyと資本業務提携を締結した。スズケンがWelbyの株式7万7900株(発行済株式数の1%)を取得する。病院や診療所に対し、患者向け治療アウトカムの改善および業務効率化に向けたPHRソリューションの普及を推進する。また両社の有するノウハウを組み合わせることで、医療用医薬品等の流通から患者サポートをつなぐ新たなソリューションやヘルスケア関連データを活用した新たな協業モデルの検討も行う。
スズケンは2019年度を最終年度とする中期成長戦略「One Suzuken2019~変化は、自らを変革し、大きく飛躍できるチャンス~」の中で、パートナー企業や外部企業との協業により、将来に向けた新たなビジネスモデルの構築を目指していた。なかでもITやソリューションビジネスについては、政府の推し進める医療ICTや地域包括ケアシステムの構築に伴うビジネス環境の変化に備え、将来に向けた新たなビジネスの戦略的位置づけとなっていた。
◎病院、診療所、保険薬局そして製薬企業にむけた新たなソリューションの検討を
資本提携の主な内容は、スズケンの顧客である病院、診療所に対し、WelbyのPHRソリューションを普及させることで、患者の治療アウトカムの改善や医療者の業務効率向上などを実現する。保険薬局に対しては、医療従事者の利便性向上や患者サポートに貢献する新たなソリューションの検討などを行う方針。一方で製薬企業に対しても同様に、両社のノウハウを結集した新たなソリューション開発に着手したい考えだ。このほか、両社と関連会社のヘルスケア関連データを活用した、新たな協業・ビジネスモデルの検討なども想定している。
◎革新的サービスや情報ビジネスの推進で両社が合意
業界環境が大きく変換する中で、スズケンもIT、ソリューションを活用した戦略的なビジネスに引き続き注力する方針。今回のWelbyとの提携に先立ち、今年9月末には医師とMRとの面会アポイント調整システムを提供するDr.JOYとも資本業務提携契約を締結している。今回のWelbyとの業務提携についてスズケンは、「新たな医療情報プラットフォームの構築、新たなソリューションがより一層提供できると判断し、協議を進めてきた」と指摘。その上で、「革新的サービスや情報ビジネスの推進を目的に資本参加を含む業務提携を行うことで合意した」と強調した。