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寛解から治癒へ 新たなステージに突入するCLL治療

公開日時 2019/11/29 04:51
「白血病は不治の病」と認識する人は9割―。アッヴィ合同会社は11月27日、メディアセミナーを開催し、20~60歳未満の働く男女518人を対象に実施した、白血病に関するイメージ・認識調査を発表した。医師から告げられる余命を「5年未満」と予想する人は85%に上る。近年の造血器腫瘍領域における分子標的薬が数多く登場し、白血病は寛解や治癒が期待されるまでになっている半面、一般的なイメージはいまだネガティブなものが多いことがうかがえる。

セミナーは、同社が11月22日に再発・難治性の慢性リンパ性白血病(CLL)治療薬ベネクレクスタ錠(一般名:ベネトクラクス)を発売したことを機に開催。血液がんの専門医が白血病の分類や疫学、臨床症状などの基礎知識、さらに大きく変化しつつあるCLLの治療環境や今後の展望などを紹介した。また、CLLの患者さんと患者団体の代表を招いて司会者を交えた鼎談が行われ、先のイメージ・認識調査で明らかになった白血病および同治療への誤解を払拭し、新たな治療法の周知をさらに強めていく必要性が強調された。

◎白血病の悪いイメージは化学療法時代の副作用に起因

調査では白血病の治療イメージについて選択肢を与えて尋ねており、「髪の毛が抜ける」(71.4%)、「体力低下・感染症リスクなどで外出ができなくなる」(60.6%)、「無菌室に隔離される」(49.8%)などの順となっている(複数回答)。

九州大学大学院医学研究院病態修復内科教授の赤司浩一氏は、これまでの白血病治療を振り返り、「白血病の悪いイメージは、化学療法や移植治療によるものが多い。化学療法は細胞分裂が盛んな細胞に作用するため、がん細胞だけでなく骨髄や髪の毛などの正常細胞に影響を与える。造血幹細胞移植でも大量の化学療法が伴うので、副作用がハードだというイメージが強いのだと思う」と指摘。そのうえでCLL治療は2010年頃からの化学免疫療法(化学療法+抗CD20抗体薬)が主流になり、さらに2016年にはBTK阻害剤イブルチニブ、そして今回上市されたベネトクラクスなど新たな分子標的薬の登場で大きく変化しつつある現状を紹介した。

ベネトクラクスは、がん細胞で失われたアポトーシスの過程を回復させる経口BCL-2阻害薬で、アッヴィのオンコロジー領域における初めての製品。再発または難治性のCLL患者を対象とした国際第Ⅲ相臨床試験(MURANO試験)では、24カ月固定投与期間終了後のベネトクラクスとリツキシマブ併用群が、無増悪生存期間において標準治療のひとつである化学免疫療法のベンダムスチン塩酸塩とリツキシマブ併用群に対する優越性が検証された。また、全奏効率92.3%、末梢血MRD陰性率(治療終了後に血液または骨髄中に残るCLL細胞が白血球1万個中1個未満と定義される指標)62.4%を達成している。

◎分子標的薬の併用で「より深い寛解」相次ぐ新薬の登場でCLL治療に追い風


赤司氏とともに登壇した同大大学院応用病態修復学講座講師の菊繁吉謙氏は、「先行するイブルチニブとともにベネトクラクスは、米国のガイドラインでは未治療のCLLにおいてファーストラインで推奨され、治療抵抗性や難治性に関してもキードラッグという位置づけられている」と評価。加えて欧米ではすでにイブルチニブとベネトクラクスの併用に関する臨床研究が行われているが、「治療抵抗性の患者に対してMRD陰性率が高まり、より深い寛解が得られることがわかってきた」と、新規分子標的薬の相次ぐ登場とその組み合わせにより、CLLの治癒が期待できる時代に突入していく可能性を示唆した。

赤司氏は、「今後もう1剤新たな分子標的薬が出てくるが、慢性骨髄性白血病(CML)と比べてCLLはさまざまな病態があるため、治療選択肢が増えることは患者にとっても医療者にとってもよいこと」と指摘。また「いろいろなコンビネーションを試すことでMRDをゼロにできるかもしれない。CLLの治療コンセプトが変わる可能性がある。それはこれからの症例の積み重ねと研究次第」と今後の展望を語った。
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