アッヴィ JAK阻害薬・リンヴォックで円形脱毛症の適応追加を承認申請
公開日時 2025/12/17 04:47
アッヴィは12月15日、JAK阻害薬・リンヴォック(一般名:ウパダシチニブ)について、「円形脱毛症(ただし、脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る)」を対象疾患とする適応追加を承認申請したと発表した。今回の申請は、成人および青少年の重症(頭部の脱毛面積が50%以上)の円形脱毛症患者を対象とする、日本を含む第3相UP-AA臨床試験プログラム(M23-716試験)の結果に基づく。
同社によると、円形脱毛症の治療は副腎皮質ステロイドの外用療法や局所注射が行われ、重症患者には副腎皮質ステロイドやJAK阻害薬の全身療法も行われるが、円形脱毛症の根治療法や予防法はない。また、大部分の患者が再燃を経験すると報告され、再燃後の治療は効果が低下する場合もある。こうした状況から「重症の円形脱毛症患者さんに対し、有効な全身療法への高いアンメットニーズが存在すると考えられる」としている。
円形脱毛症は、頭部や顔(眉毛、睫毛など)、身体に非瘢痕性の脱毛を引き起こす炎症性自己免疫疾患。どの年齢でも発症する可能性があるものの、患者の40%は20歳までに発症し、全体の80%以上は40歳までに発症すると報告されている。全人口の約2%が生涯で1回以上罹患するとされ、国内有病率は近年増加傾向にある。脱毛による自尊心の低下により、社会的対人関係などに深刻な影響をもたらす。