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厚労省・森審議官 製薬産業は患者の“健康体験”を実現するソリューション創出

アジア諸国と協働のイノベーション創出を目指せ!

公開日時 2019/12/27 06:50
厚労省の森和彦大臣官房審議官(医薬担当)は12月31日付の退任を前に、本誌のインタビューに応じてくれた。「医薬品を購入するのが目的ではなく、医薬品を通じて得られる、良い治療が実現することこそが顧客の求めるものだ」―。森審議官はこう話す。高齢化が進む日本では、がんや認知症など疾患と共生する社会の実現が不可欠だ。ここ数年で薬事規制は大きな転換点を向かえた。遺伝子治療や核酸医薬など創薬技術の進歩に加え、がんゲノムを活用したプレシジョン・メディシンも実現し始めている。今回のインタビューを通じて森審議官は製薬ビジネスに、さらなる変革が迫っていると語ってくれた。これまでプロダクトに特化してきた製薬産業がソリューション創出へと舵を切る時がきたことを告げる森審議官からのラストメッセージだ。(一問一答はこちらから,12月27~31日までフリーでダウンロードできます)

森審議官へのこれまでの取材を振り返ると、いまの薬事規制の礎となる一つのエピソードに辿り着く。2016年の初頭、抗がん剤・オプジーボの高額薬剤問題が渦中にあった。薬価の特例的引下げが当時話題になったが、実は高額薬剤を用いた薬物治療の最適化を製薬産業界、アカデミアと組んで実現したのが森審議官その人だ。「最適使用推進ガイドライン」と言えば “使用制限”のイメージも付きまとうが、森審議官は、「本当に必要な患者さんに必要最小限の使い方で、十分な効果が出るのであれば、これが一番望ましい姿ではないか」と本誌の取材(2016年9月号)で語っている。

一方で、患者の治療アクセスを確保し、革新的新薬開発への配慮も必要だとの考えを示したのだ。これを契機に厚労省はCINやMID-NETをはじめと、リアルワールドデータ(RWD)の利活用を後押しするためのインフラ整備を進めてきた。日本版プレシジョン・メディシンともいえるような最適使用の議論の原点はここにあったと感じる。

◎「患者の期待に応える仕事」を体現

「患者の期待に応えるような仕事をしてほしい」―。今回のインタビューで森審議官はそう語ったが、まさにそれを体現してきたようにも見える。今後、製薬産業を取り巻く環境変化はさらに加速する。遺伝子治療や再生医療など新たなモダリティの登場は、医療の姿を明らかに変え始めている。患者視点に立てば、高齢化を背景に誰もが生き生きと過ごすことへの期待は社会に充満している。政府が全世代型社会保障の議論も進むなかで、病気を克服し、日常生活や職場復帰を果たす必要性も高まっている。こうしたなかで、製薬産業界も健康寿命の延伸に必要なソリューションの開発や提供にリソースを割くようになる。製薬産業こそがその一端を担う時代も来るだろう。

一方で、人口減少時代に突入した国内市場は厳しさを増す。製薬企業が活路を見出すためにも、成長市場であるアジア市場への進出が避けて通れない。「アジア諸国と共にイノベーションに取り組む時代を目指してトランスフォーム(構造転換)することを考えてほしい」と語る。ラストインタビューを通じ、森審議官の思い描いた製薬産業の未来に触れて欲しい。

(特報チームデスク 望月英梨)

森審議官のインタビューはこちらから12月27~31日までフリーでダウンロードできます)

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