JT 皮膚疾患用薬タピナロフを導入、スイスのデルマバント社から 鳥居と共同開発へ
公開日時 2020/01/17 04:50
日本たばこ産業(JT)は1月15日、スイスのデルマバント・サイエンス社が開発しているアリル炭化水素受容体(AhR)モジュレーターのタピナロフ(一般名)について、日本における皮膚疾患領域での独占的な開発・商業化に係るライセンス契約を締結したと発表した。JTはこの契約締結に伴い、グループ会社の鳥居薬品と同剤に関する共同開発・販売権の契約も締結した。デルマバントの親会社は欧州の製薬ベンチャーのロイバント・サイエンシズ。
JTは、今回のデルマバントとの契約により、タピナロフのバックアップ化合物及びデルマバントが開発中の化合物(DMVT-502、DMVT-503、DMVT-504)の日本における皮膚疾患を対象とした独占的な開発・商業化権に関するライセンス契約の優先交渉権も獲得した。JTはデルマバントに契約一時金を支払うとともに、今後の開発の進捗に応じたマイルストーン及び上市後の売上に応じたロイヤリティを支払う。
タピナロフはAhRを標的とした国内初の薬剤。デルマバントはタピナロフを乾癬、アトピー性皮膚炎の治療薬として開発しており、米国では尋常性乾癬を対象にフェーズ3試験を行っている。
JTは鳥居との契約に基づき、同剤を日本で共同開発し、上市後の販売・プロモーション活動は鳥居が独占的に行うことになる。JTは鳥居から契約一時金を受け取る。鳥居は、「日本国内での皮膚疾患領域における豊富な経験を活かし、JTグループ全体でタピナロフの製品価値の一層の向上と、国内での早期の上市を目指す」としている。