ヤンセンファーマ 標的経口ペプチドのイコトロキンラ 尋常性乾癬、GPP、EPを対象に承認申請
公開日時 2025/11/10 04:48
ヤンセンファーマは11月7日、IL-23受容体を選択的に阻害する初の標的経口ペプチドであるイコトロキンラ(一般名)について、成人及び青少年の既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、膿疱性乾癬(GPP)、乾癬性紅皮症(EP)を対象疾患に承認申請したと発表した。
イコトロキンラ(開発コード:JNJ-77242113)はIL-23受容体に対して高い親和性を示し、ヒトT細胞におけるIL-23シグナル伝達を1桁のピコモルで強力かつ選択的に阻害することが示されている。IL-23受容体は、中等症から重症の尋常性乾癬や潰瘍性大腸炎における炎症反応に深く関わっていると考えられている。
今回の申請は、尋常性乾癬患者を対象とした第3相ICONIC臨床開発プログラムと、GPPとEP患者を対象とした第3相国内臨床試験の結果に基づく。第3相ICONIC臨床開発プログラムは4つの臨床試験で構成され、イコトロキンラは同プログラムにおける全ての主要評価項目及び共主要評価項目を達成。1日1回服用の経口薬で、皮疹消失と良好な安全性プロファイルを示した。また、4つの臨床試験のうち2つの試験において、イコトロキンラはTYK2阻害薬・デュークラバシチニブ(国内製品名:ソーティクツ)に対する優越性も確認された。
安全性データの統合解析では、有害事象(AE)の発現率はイコトロキンラ群49.1%、プラセボ群51.9%で、新たな安全性プロファイルは認められなかったとしている。
GPPとEP患者を対象とした第3相国内臨床試験(77242113PSO3005試験)は、GPPまたはEPを有する12歳以上の日本人患者に対するイコトロキンラの有効性と安全性を評価する多施設共同非盲検臨床試験。
同社のクリス・リーガー代表取締役社長は、「乾癬に悩む患者さんのために、より良い治療法を提供するという私たちの取り組みは10年以上続いている。今回の申請は、患者さんが日常生活を制限されることなく、より良い治療を受けられるよう支援するという私たちの使命を体現するもの」とコメントしている。