帝人ファーマ 自社創製のCDK4/6阻害薬「TCK-276」を英社に導出 関節リウマチで開発へ
公開日時 2025/10/24 04:50
帝人ファーマは10月23日、関節リウマチを対象疾患に開発中のCDK4/6阻害薬「TCK-276」(開発コード)について、英国バイオテック企業のElevara Medicines社に全世界における独占的な開発・製造・販売権を供与するライセンス契約を締結したと発表した。TCK-276は帝人ファーマの自社創製品。
Elevara社はTCK-276の開発を目的に2025年に設立された企業で、関節リウマチ領域における革新的な新薬の開発を迅速に遂行するための高い専門性と機動性をもつ。帝人ファーマが希少疾患に注力していることもあり、TCK-276をElevara社に導出したほうが「より速く世界中の関節リウマチ患者さんのもとへ届けることが可能になる」と判断した。
今回の契約により帝人ファーマは、ライセンス時の対価としてElevara社の株式10%を受領する。さらに今後の開発の進捗に応じて総額約3000万米ドルのマイルストーン収入や、売上に応じたロイヤルティ収入を受け取る権利がある。
TCK-276は帝人ファーマの医薬品の研究拠点である生物医学総合研究所(東京都日野市)で創出されたもの。サイクリン依存性キナーゼ4及び6(CDK4/6)の活性を阻害することで、関節リウマチの病態における滑膜の異常増殖を抑制し、軟骨破壊の進行を防ぐことが期待されている。帝人ファーマはこれまでに、米国で健康成人及び関節リウマチ患者を対象とした第1相試験を実施し、TCK-276の忍容性と薬理学的作用などを評価した。