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製薬各社入社式 経営トップは“チャレンジ”の重要性強調 新型コロナで分散式やWEB配信での実施も

公開日時 2020/04/02 07:01
新年度の始まりにあわせ、4月1日、製薬各社で入社式が行われた。今年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、多くの企業が従来とは異なる形式で実施した。

第一三共や田辺三菱製薬は新入社員を小規模のグループに分散する形式で行った。武田薬品や協和キリンなどはオンラインで実施。武田では、新入社員は事前配布した会社パソコンを使用して自宅などから参加した。協和キリンは新入社員に向けた社長挨拶を動画配信した。アステラス製薬は、本社に新入社員が一堂に会する従来の形式をとったものの、2メートルの間隔をとった席の配置や参加者がマスクを着用するなどの対策を講じて入社式を行った。

各社の経営トップの挨拶では、それぞれの職場で「チャレンジ」や「提案」することを求める内容が目立った。例えば中外製薬の奥田修社長COOは、「上司や先輩と違う時代、異なる環境で育ってきた皆さんは中外製薬のダイバーシティになると期待している」とし、自分の意見を周りにぶつけることや、医学の進展・デジタル技術の革新に目を向けることで、新たな医療ソリューションの創造に貢献してほしいと話した。

人の命に関わる仕事のため、コンプライアンスの順守と高い倫理観が強く求められることも各社社長の挨拶に盛り込まれた。塩野義製薬の手代木功社長は、コンプライアンスの順守について、「昔の言い方をすると、『お天道さまが全て見ている』、すなわち、常に透明で誰から見られても恥ずかしくないと胸を張って言える行動、言動のこと」と説明し、社会人として成長するためにもますます大切になると呼びかけた。

■「新しいことに積極的に目を向けて」

武田薬品のクリストフ・ウェバー社長CEOは、タケダは研究開発だけでなく職場環境でも「ベスト・イン・クラスを誇っている」とした上で、「多様性に富む世界中の従業員が互いに尊重し合い、創造力を発揮させ、私たちを必要とする世界中の人々のニーズに応えるために懸命に働いている」と紹介。新入社員に対して、「様々な困難に直面するかと思うが、常にチャレンジし続けて」と呼びかけ、「タケダは皆さんの果敢な挑戦を全力で支援する。従業員一人ひとりの活躍が、タケダの成功の礎だ」との考えを示した。

第一三共の眞鍋淳社長は、「日々多くの環境変化に遭遇すると思うが、変化をいち早く感じとり、次のアクションを考え、実行するなど自ら『変革』・『改善』することをぜひ心がけてほしい」と日々の心がけを説いた。自身が若い頃に先輩から言われた、「部下は上司に提案するために存在している。一方、それを聞けない上司はその任にない」との言葉を大事にしてきたと紹介しつつ、「ぜひ皆さんも、良いアイディアがあれば臆することなく、それぞれの職場で提案・チャレンジしてください」と語りかけ、互いの考えを自由にぶつけあうことが自身や組織の成長につながると述べた。

アステラス製薬の安川健司社長CEOは、ヘルスケア業界は細胞や遺伝子を活用した新しい治療法の登場に加え、デジタルなどの進歩を背景に異業種との融合が増え、新たなヘルスケアソリューションが続々登場していると市場環境を説明した。その上で、「このような環境の移り変わりの中、過去の知識や技術にこだわり、これまで通りの治療法を追い求めるだけでは、劇的に変化する時代の波から取り残されてしまう」と指摘した。会社が成長し続けるためにも、「過去の成功から来る今の価値だけに縛られないことが重要」とし、「新しいことに積極的に目を向けて時代を先取っていくことが必要。そのために皆さんのような若い方の英知に大いに期待する」と話した。

■先例に捉われずに自身の頭でまず考える

中外製薬の小坂達朗会長CEOは、「中外製薬が目指すイノベーションは、単に効果や安全性に優れるだけでなく、社会と当社の共有価値である『患者中心の高度で持続的な医療の実現』をかなえるもの」だと説明し、イノベーションの意味や、イノベーションが患者や社会にいかに貢献し得るものかを「ぜひ感じてもらいたい」と呼びかけた。同社の奥田修社長COOは、▽患者中心▽フロンティア精神▽誠実――の中外の3つの価値観を共有したいとした。このうちフロンティア精神では、新入社員が中外のダイバーシティとなって、自分の意見を周りにぶつけたり、医学やデジタル技術の革新に目を向けて、「新たな価値ある医療ソリューションの創造に貢献してほしい」と期待を寄せた。

大塚ホールディングスの樋口達夫社長兼CEOは、「時に想像を超える困難に出会うこともあるだろうが、様々な変化に気付き、課題の本質を見極め、そして解決に向けた実行に果敢に挑戦できる人材に育ってほしい」と期待を示した上で、「共に世界に貢献する『なくてはならない企業』を目指していこう」と呼びかけた。

田辺三菱製薬の上野裕明社長は、製薬企業を取り巻く環境が大きく変わる中で、▽先例に捉われずに自身の頭でまず考えること▽視点を外に向け、さらには海外に向けること▽失敗を恐れずチャレンジすること――の重要性を強調。「本日の期待と、やってやろうという気持ちを大切にして、前向きに(仕事に)取り組んでほしい」と話した。

大日本住友製薬の野村博社長は、「入社後も学び続け、課題への解決策を考え、実行し、成果を出していくなど、積極的にチャレンジして成長してほしい。自分が会社を回している、といった気概で仕事に取り組んでほしい」と期待を寄せた。19年末にデジタルプラットフォームやデジタル人材に強みを持つ欧州のロイバント社と戦略的提携を行ったことに触れ、「既存の技術基盤にこれらの新たな強みを加わったとして、「グローバル・スペシャライズド・プレーヤーへの成長を一緒に達成しよう」と呼びかけた。

塩野義製薬の手代木功社長は、「IT 技術の進化に加え、薬を創る方法論や、患者さんの診断や薬効の評価もAI を始めとする最新のテクノロジーにより大きな転換点を迎えている」と指摘。その上で、「シオノギの伝統を受け継ぎながら、皆さんのような若い力、新しい発想で、次の時代のシオノギを作ってほしい」として、自分で判断することや、自らの決定に責任をもつことの重要性を訴えた。

協和キリンの宮本昌志社長は、会社がいま、グローバルな成長に向かう転換期にあり、変革を果敢に推し進めなければならない時期にあると説明した。そして、「変化の激しいときには、過去の成功体験を捨てて変化し続けていくことが重要」との考えを示し、新入社員に対し、「皆さんはフレッシュな感覚でものを見て判断できる人材だ。力を存分に発揮していただくことを期待している」とエールを送った。

■患者と共に時間を過ごし、「共感」を得る

エーザイの内藤晴夫代表執行役CEOは、ビジネスの基本や心構えを説いた。事前の「準備」を入念に行い、最後まで考え続け、自分の考えが練られることが成功の鍵とした。「失敗する」ことも重要とし、「二度と繰り返さないと肝に銘じることが大切だ」と語りかけた。「逃げない」で、打ちのめされている時に立ち上がることで次の展開もみえてくると話した。

また、「『信頼』こそはビジネスの基本」と説き、患者や当事者の信頼を得るためには、「共に時間を過ごし、『共感』を得ること」が重要だと指摘した。共感を得ることで患者や当事者の「憂慮」を知り、憂慮を取り除くための戦略を策定・実行して次の共感を得るサイクルに入るとした。そして、「このサイクルを回すことこそが、『エーザイの原点』」と説明した。顧客ニーズに自ら触れて理解し、戦略に落とし込むことの重要性を示した格好だ。

日本新薬の前川重信社長は、創立100周年を迎え、新たに第6次中期経営計画が開始したことに触れ、今後はその取り組みを実践に移すときだと強調した。「日本のみならず、グローバルでも活躍し、存在意義のある企業となるためには皆さんのエネルギーが必要になる」として、「ともに汗をかき、力を合わせて、次の100 年、200年企業を目指す礎を築いていこう」と呼びかけた。
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