アルフレッサHD 公取委検査受け経営体制刷新 次期HD社長に荒川取締役、アルフレッサ社長に福神氏が内定
公開日時 2020/05/13 04:50
アルフレッサホールディングスは5月12日、昨年11月の医療用医薬品の入札をめぐる公正取引委員会の立入検査を踏まえ、経営体制の刷新を含むガバナンス強化策を発表した。経営体制については、次期代表取締役社長に荒川隆治取締役専務執行役員コーポレートコミュニケーション・事業開発・海外事業担当を充てるトップ人事を内定した。特定完全子会社であるアルフレッサの代表取締役社長には、ホールディングスの新任取締役に昇格する福神雄介取締役専務執行役員ロジスティクス本部長が就任する。6月25日開催予定の定時株主総会と取締役会を経て決定するが、福神氏のアルフレッサ社長就任は6月18日を予定している。
◎ガバナンス強化策を発表 公取委の調査に全面協力
医療用医薬品の入札をめぐる問題は、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)を発注者とする入札に際し、独占禁止法違反の疑いがあるとして、公取委の立ち入り検査が行われていた。アルフレッサホールディングスは、公取委の調査に全面的に協力する姿勢を表明し、ガバナンス強化を目的とした各種制度・施策の導入、および運用強化を図る方針を明示した。
◎コンプライアンス担当の執行役員を配置
グループにおけるガバナンス強化策としては、経営体制を刷新するほか、コンプライアンス担当の執行役員を置き、グループ全体の管理監督期機能を強化する。独立社外取締役を委員長とする「役員人事・報酬等委員会」の規定を4月1日付で改訂し、特定完全子会社のアルフレッサの取締役および執行役員の選解任も含めるとした。さらに、医療用医薬品等卸売事業に関わる子会社に対し、コンプライアンス遵守を推進・統括する専門部署と、独禁法専用の電話相談窓口を設置する。コンプライアンス・リスクマネジメント会議分科会の規定を4月1日付で改訂し、医療用医薬品等卸売事業に関する分科会を立ち上げることも明らかにした。
◎子会社のガバナンス強化策 幹部社員・MS向け研修を定期的に実施
一方、子会社におけるガバナンス強化策も盛り込んだ。具体的には、子会社の経営トップが全社員に向け、改めて独禁法等の遵守を宣言。経営方針発表会や各種会議、研修などあらゆる機会を使って全役職員に繰り返し伝えるとした。また、同業他社との接触に関するルールや、各種会議・会合へ参加する際のルール等を細かく規定するとともに、現実に起こりうるケースに応じたQ&Aを作成し、営業担当者に周知徹底させるとした。
このほか、社内でコンプライアンス遵守を推進・統括する専門部署を設置、独禁法専用の電話相談窓口を社内外に設置し、各種質問や内部通報を受付ける。社内教育・研修の充実では、管理職など幹部社員向けの研修、営業担当者(MS)研修などを定期的に実施するとした。
◎鹿目会長は退任、アルフレッサの相談役に就任予定
なお、アルフレッサホールディングスの鹿目広行代表取締役会長は退任し、6月18日付でアルフレッサの相談役に就任予定。久保泰三代表取締役社長は、6月25日付で取締役会長に就任する予定。また、アルフレッサの増永孝一代表取締役社長は、6月18日付で取締役会長に就任予定。