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薬食審 5月29日に第一部会 経口GLP-1作動薬、保存期適応の経口腎性貧血薬など審議

公開日時 2020/05/18 04:50
厚生労働省は5月15日、新薬8製品の承認可否の審議などを行う薬食審医薬品第一部会を29日にWeb会議で行うと発表した。審議品目には、2型糖尿病に用いる国内初の経口投与のGLP-1受容体作動薬・リベルサス錠(一般名:セマグルチド(遺伝子組換え))や、新クラスの経口腎性貧血薬のHIF-PHD阻害薬で国内初の保存期適応も併せ持つバフセオ錠(バダデュスタット)やダーブロック錠(ダプロデュスタット)といった大型候補品が含まれる。部会を通過した場合、6月に正式承認される見通し。

【審議予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)

オンジェンティス錠25mg(オピカポン、小野薬品):「パーキンソン病」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

末梢性の長時間作用型の新規COMT(カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ)阻害薬。1日1回投与製剤で、レボドパ含有製剤と併用して用いる。

細胞毒性を示すことなく、末梢選択的に高いCOMT阻害作用を示す。プラセボと比較して、レボドパ(ドパミン前駆体)のバイオアベイラビリティを最大65%まで増加させ、用量依存的にOFF時間を短縮するとされる。小野は、パーキンソン病における症状の日内変動(wearing-off現象)の改善を予定効能に申請している。

オノアクト点滴静注用50mg、同点滴静注用150mg(ランジオロール塩酸塩、小野薬品):「敗血症に伴う頻脈性不整脈」を追加する新効能・新用量医薬品。

短時間作用型β1選択的遮断薬。現在は手術時の頻脈性不整脈(心房細動、心房粗動、洞性頻脈)に対する緊急処置などに使われている。

サムスカ錠7.5mg、同錠15mg、同錠30mg、同OD錠7.5mg、同OD錠15mg、同OD錠30mg、同細粒1%(トルバプタン、大塚製薬):「低ナトリウム血症」を追加する新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。

水利尿(電解質を含まない水分の排泄)を促進する経口バソプレシンV2受容体拮抗薬。同剤の低ナトリウム血症の適応は欧米で承認されている。

バフセオ錠150mg、同錠300mg(バダデュスタット、田辺三菱製薬):「腎性貧血」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素(HIF-PHD)阻害薬と呼称する新クラスの薬剤。慢性腎臓病(CKD)患者では、赤血球産生を促すホルモンであるエリスロポエチンが十分に産生されないため貧血がよくみられる。HIF-PHD阻害薬は、低酸素(酸素欠乏)で生じる生理学的作用と同様に、骨髄での赤血球産生を促すことで腎性貧血に効果をもたらす。

保存期と透析期の腎性貧血治療薬として申請されている。ファーストインクラス薬のエベレンゾ錠(ロキサデュスタット、アステラス製薬)は透析期の適応のみ。バフセオ錠が承認されれば、保存期適応を持つ初のHIF-PHD阻害薬となる。なお、同日の部会では同じHIF-PHD阻害薬のダーブロック錠も審議され、同剤も保存期適応でも申請している。

ダーブロック錠1mg、同錠2mg、同錠4mg、同錠6mg(ダプロデュスタット、グラクソ・スミスクライン):「腎性貧血」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素(HIF-PHD)阻害薬と呼称する新クラスの薬剤。保存期と透析期の腎性貧血治療薬として申請されている。同剤が承認されれば、保存期適応を持つ初のHIF-PHD阻害薬となる。なお、同日の部会ではHIF-PHD阻害薬のバフセオ錠も審議され、同剤も保存期適応でも申請している。

ダーブロック錠を申請したGSKは、ESA製剤ネスプを手掛ける協和キリンと同剤に関する提携契約を結んでおり、承認取得後は協和キリンが販売し、両社で情報提供・収集活動を行う。

リベルサス錠3mg、同錠7mg、同錠14mg(セマグルチド(遺伝子組換え)、ノボ ノルディスクファーマ):「2型糖尿病」を対象疾患とする新投与経路医薬品。

1日1回経口投与のGLP-1受容体作動薬。承認されれば、GLP-1受容体作動薬で初の経口薬となる。

セマグルチドは生体内で分泌されるホルモンであるGLP-1のアナログで、同剤はサルカプロザートナトリウム(SNAC)と呼ばれる吸収促進剤を含有した製剤。SNACは胃でのセマグルチドの吸収を促進することで、セマグルチドの生物学的利用能を高め、効果的な経口投与を可能にする。承認取得後はMSDとコ・プロモーションする。MSDは2型糖尿病に用いるDPP-4阻害薬ジャヌビアやその配合薬などで存在感をみせている。

なお、セマグルチドはオゼンピック皮下注0.25mgSD 、同0.5mgSD、同1.0mgSDとして今年3月に承認され、5月20日に薬価収載される予定。

ゼオマイン筋注用50単位、同筋注用100単位、同筋注用200単位(インコボツリヌストキシンA、帝人ファーマ):「上肢痙縮」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

A型ボツリヌス毒素分子から薬効発現に必須なボツリヌス毒素活性本体タンパクのみを分離したもの。中和抗体が産生されにくいとされる。同剤を使用して筋肉の過度な収縮を緩和することにより、日常生活における動作の改善、リハビリテーションの効果向上、介護負担の低減などの効果が期待されている。

エンスプリング皮下注120mgシリンジ(サトラリズマブ(遺伝子組換え、中外製薬):「視神経脊髄炎スペクトラム障害」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。

ヒト化抗IL-6レセプターリサイクリング抗体。視神経脊髄炎スペクトラム(NMOSD)は視神経と脊髄の炎症性病変を特徴とする中枢神経系の自己免疫疾患で、生涯にわたって衰弱を引き起こす。繰り返す再発により、神経の損傷や障害が蓄積される。症状として視覚障害、運動機能障害などが現れる。同剤はNMOSDの病態に深くかかわっているとされるIL-6シグナルを阻害することで、NMOSDの再発を抑制することが期待されている。

■フェントステープのがん性疼痛適応 オピオイド未使用患者に使用可能に

【報告予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

キンダリー透析剤AF5号、同AF5P号、同5E(扶桑薬品):「慢性腎不全」に用いる人工腎臓用透析液。厚労省によると、既存のAF4号と組成は変わらないが、カリウムとマグネシウムの濃度が4号より若干高い。

フェントステープ0.5mg、同テープ1mg、同テープ2mg、同テープ4mg、同テープ6mg、同テープ8mg(フェンタニルクエン酸塩、久光製薬):がん性疼痛の適応について、現在は他のオピオイド鎮痛薬から切り替えて使用することになっている。今回、オピオイド未使用患者にも使えるようにする。
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