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米イーライリリー 新型コロナの第2の抗体治療薬候補のP1開始

公開日時 2020/06/17 04:50
米イーライリリーは6月16日、新型コロナウイルス感染症に対して設計した中和抗体「JS016」について、共同開発するJunshi Biosciences社(中国)が健康被験者に対して初めての投与を中国で行ったと日本法人を通じて発表した。Junshi社は中華圏(中国本土、香港、マカオ、台湾)の開発を、中華圏を除く地域はリリーが開発を指揮する。リリーは早々に米国でP1を開始する予定としている。

Junshi社とリリーが行うP1試験は、新型コロナウイルス感染症と診断されたことがない健康被験者を対象とし、JS016の安全性、忍容性、薬物動態、免疫原性を評価する。リリーにとってJS016は、6月初めにP1入りした新型コロナウイルス感染症入院患者を対象に治験中のLY-CoV555に続き(記事はこちら)、2番目に臨床試験を開始した中和抗体となる。

JS016はエフェクター機能が弱まるよう修飾された遺伝子組換え完全ヒトモノクローナル中和抗体。SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)表面に存在するスパイクタンパク質の受容体結合ドメインに特異的に結合し、ウイルスの宿主細胞表面受容体ACE2への結合を効果的に阻害する可能性がある。

リリーのchief scientific officerのダニエル・スコフロンスキー氏は、「新型コロナウイルス感染症には、まだ明らかになっていないことがたくさんある」とした上で、「単剤療法、併用療法のいずれにおいても中和抗体の可能性について理解を深める最善の方法は、綿密に管理された無作為化試験を実施することだ。数か月後に得られる予定のこれらの試験の結果を楽しみにしている」とコメントしている。

リリーは、単剤療法および併用療法(カクテル療法)の抗体レジメンのポートフォリオを含む臨床開発プログラムを計画しており、患者における有効性と忍容性が高い治療法を見つけることを目的としている。カクテル療法にはJS016やLY-CoV555のほか、現在非臨床試験で開発中のその他の抗体を用いる予定。JS016とLY-CoV555は、結合するスパイクタンパク質のエピトープが異なるため、有効性の達成や耐性の回避のための選択肢が広がるという。
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