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塩野義製薬 独占的開発・販売権を持つADHDのデジタル治療用アプリをFDAが承認 ゲームベースで初

公開日時 2020/06/25 04:50
塩野義製薬は6月24日、同社が日本と台湾で独占的開発権・販売権をもつデジタル治療用アプリが、小児のADHDにおける不注意症状の改善を適応として、米国FDAから承認を取得したと発表した。治療用アプリは、Akili Interactive Labs, Inc.(本社:米マサチューセッツ州)が独自開発した「AKL-T01」。世界初のゲームベースのデジタル治療用アプリとして期待されている。なお、治療用アプリは欧州においてCEマークをAkili社が取得している。日本では塩野義製薬が臨床試験を行っているところ。

FDAが承認した「AKL-T01」は、8~12歳の小児の不注意優勢型または混合型の注意欠如・多動症(ADHD)に対し、コンピュータを用いて評価された不注意症状を改善する。具体的には、認知機能で重要な役割を果たす脳の前頭前野を活性化するよう設計されており、患者はスマホやタブレット端末を通じ、個別に最適化された難易度のゲームを継続的に行うことで、症状を改善する。

FDAの承認に際しては、ADHDと診断された600人以上の小児を対象とした5つの臨床試験の結果が審査された。このうちの1つSTARS-ADHD試験は、注意および抑制制御に関する客観的な評価方法(Test of Variables of Attention:T.O.V.A)の注意機能スコアを用い、Attention Performance Index(API)の変化量を主要評価項目とした。8歳~12歳のADHD患者へのAKL-T01の有効性と安全性を評価したところ、AKL-T01群は、対照群(Word puzzle)に対して統計的に有意な改善を認めた(p=0.006)。安全性についてもAKL-T01群で問題となる有害事象は見られず、重篤な有害事象の発現も認められていない。

◎日本では第2相臨床試験を実施中

塩野義製薬は2019年3月にAkili社とデジタル治療用アプリAKL-T01、AKL-T02(自閉スペクトラム症を対象)の導入に関するライセンス契約を締結している。日本においては、開発番号SDT-001として開発に取り組んでおり、6歳~17歳の小児のADHD患者を対象に、有効性と安全性を探索的に検討する第2相臨床試験を実施中だ。



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