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小野薬品・相良社長 コロナで新製品の立ち上がり遅く ウェブ面談に「効用あるが限界もある」

公開日時 2020/10/30 04:52
小野薬品の相良暁社長は10月29日に大阪本社で開いた2021年3月期(20年度)第2四半期の決算説明会で、新型コロナの感染拡大による訪問規制の強化やアポイント取得の難しさにより、特に新製品の立ち上がりに影響が出たとの認識を示した。最主力品のがん免疫療法薬オプジーボの情報活動でも、「従来からひざを突き合わせている先生とはウェブ面談も可能だが、こういう先生が数多くいるわけではない」と指摘。上期の国内営業は全体的に「仕事が進みにくかった」と振り返った。とはいえ、MRも顧客もデジタル活用に慣れてきたとして、下期はウェブを用いた小規模講演会や病院単位の製品説明会の頻度が増えると見通し、「少しは動きやすく、仕事が進むとみている」と期待感を示した。

コロナ禍でのMR活動を踏まえた、ニューノーマルなMRのあり方については、「ウェブでこと足りるという部分は確かにあり、今後の我々のシフトに影響を与えることはある」としたが、「ウェブでの効用もあるかわりに限界もある」と述べた。そして、「現時点で限界がしっかり見えたわけでないが、我々で見定めて、将来の体制を決めていく」と話し、デジタルとリアル両面の利点と欠点を評価して、小野の新たな営業スタイルを構築することに意欲をみせた。

■オプジーボのNSCLC1次治療、フォシーガの慢性心不全の追加 11月にも承認取得

同社は5月に抗がん剤ベレキシブル錠(一般名:チラブルチニブ)、8月にパーキンソン病治療薬オンジェンティス錠(同オピカポン)の新製品2剤を発売したが、20年度上期売上は両剤合計で5億円にとどまった。両剤合計の通期計画は今回、期初計画から20億円減となる30億円に修正した。

相良社長は新型コロナによる訪問規制の強化などにより、「どうしても新製品群のプロモーション活動が十分にできないというところで、スタートに時間がかかっている」と説明した。病院市場では医師とのリアル面談はほぼかなわず、開業医市場ではアポイントを取得できた先でのみ情報活動できた状況だったという。

下期は、▽オプジーボと免疫療法薬ヤーボイとの併用による非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療の追加▽変形性関節症治療薬ONO-5704▽がん悪液質用薬エドルミズ錠(一般名:アナモレリン)▽SGLT2阻害薬フォシーガの慢性心不全の追加――の承認取得・上市を見込む。順調に審査されれば、オプジーボの非小細胞肺がん1次治療の追加、フォシーガの慢性心不全の追加は11月にも承認される可能性がある。

■オプジーボ通期予想は980億円に 80億円上方修正

特にオプジーボの非小細胞肺がん1次治療の追加は、競合品キイトルーダの後手を踏んだ。結果、国内の両剤間の売上差が広がる原因となった。IQVIAのデータによると、19年度売上(薬価ベース)はキイトルーダが1358億円、オプジーボは984億円で、350億円以上の差がある。

相良社長は、「キイトルーダはほぼ肺がんで使用されていて1000億円近い売上がある」との認識を示し、「オプジーボで全部取ったら1000億円、ひとつも取れなかったらゼロ。この範囲で頑張りたい」と巻き返しへの意気込みを語った。

病院市場を中心にいまだ厳しい訪問規制がしかれているためオプジーボもウェブを用いた情報活動が中心となるが、同社はこの日、今期中のオプジーボの非小細胞肺がん1次治療の追加が見込まれるとして、オプジーボの通期売上予想を期初計画から80億円上方修正し、980億円と設定したことを明らかにした。

■上期連結業績は増収2ケタ増益 コロナで研究開発費と営業活動費減少

20年度上期の連結業績は売上1505億円(前年同期比1.0%増)、営業利益524億円(25.1%増)などと増収、各利益段階で2ケタ増益となった。

売上の内訳は、製品売上が1065億円(0.2%減)、オプジーボやキイトルーダをはじめとするロイヤルティ収入が440億円(4.1%増)――だった。製品売上は長期収載品の2ケタ減収を新薬群の伸長でカバーして横ばいとし、ロイヤルティ収入の増加で業績全体の増収を確保した格好だ。

上期の製品売上をみると、情報活動が思うように進まなかった部分はあるものの、オプジーボは491億円(前年同期比4.8%増)と増収を確保した。競合品との競争が激化するなか、腎細胞がん、胃がん、食道がんでの使用が拡大したという。このほか2ケタ成長したのは、フォシーガ(105億円、20.5%増)、パーサビブ(39億円、11.9%増)、カイプロリス(35億円、19.8%増)――だった。

営業利益の2ケタ増益は、コロナ禍を背景とする研究開発費と営業活動費の減少が主因となる。同社では、研究開発は6月以降に被験者登録を含めた開発活動を再開した。しかし、新規治験の被験者登録の開始が延期するなどして、研究開発費は前期比52億円(16.2%)減の257億円となった。

研究開発費を除く販管費は、学術講演会の見直し、MRの医療機関訪問自粛などで営業活動費が減少。結果、前期比39億円(11.6%減)の298億円となった。

■新型コロナ治療薬候補のカモスタット 年内のP3開始へ準備

同社の出光清昭・開発本部長は、新型コロナの治療薬候補して現在フェーズ1の段階にある慢性膵炎等治療薬フオイパン(一般名:カモスタットメシル酸塩)について、「並行してフェーズ3の準備を進めている。もうじき始められる」と述べ、年内にP3を開始できるよう準備を進めていることを明らかにした。プロトコルの詳細は非開示としたが、「アビガンの試験のようなものを考えている」と語った。相良社長は、「(社会の)役に立てればということで試験を開始した。採算は別にして、役に立てれば良いと期待している」と話した。

【20年度第2四半期連結業績 (前年同期比) 20年度通期予想(前年同期比)】
売上高1504億7400円(1.0%増) 3050億円(4.3%増) ←修正前3030億円
営業利益524億100万円(25.1%増) 870億円(12.3%増) ←修正前800億円
親会社帰属純利益398億4900万円(21.4%増) 650億円(8.9%増) ←修正前610億円

【20年度第2四半期の国内主要製品売上高(前年同期実績) 20年度通期予想、億円】
オプジーボ 491(468)980 ←修正前900
グラクティブ 130(133)250
フォシーガ 105(87)225
オレンシア 109(100)220 ←修正前215
リバスタッチパッチ 41(44)75 ←修正前85
パーサヒブ 39(35)80 ←修正前75
カイプロリス 35(29)70 ←修正前65
オノアクト 22(24)55 ←修正前60
オパルモン 29(45)50
プロイメンド 13(13)25 ←修正前35
イメンド 15(46)25 ←修正前35
オノンカプセル 12(16)25 ←修正前30
リカルボン 15(26)25 ←修正前20
20年度新発売品 5(-)30 ←修正前50
*いずれも仕切価格(出荷価格)ベースでの売上収益
*新発売品はベレキシブル錠とオンジェンティス錠。

ロイヤルティ・その他 440(422)910
*BMSからのオプジーボに係るロイヤルティ収入が19年度上期307億円、20年度上期292億円――、メルクからのキイトルーダに係るロイヤルティ収入が同85億円、114億円――がそれぞれ含まれる。
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