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厚労省 オンライン診療の恒久化見据え議論開始 今年中に方向性

公開日時 2020/11/04 04:51
厚生労働省は11月2日、初診を含むオンライン診療の恒久化の実現に向け、議論を開始した。「オンライン診療の適切な実施に関する指針」を見直し、年内にも方向性を示す方針。この日の議論では診察したことのない患者に対する初診のリスクを指摘する声が相次いだ。一方で、日常から患者や患者家族を診察する医師がかかりつけ機能を発揮するために活用ツールとしては歓迎する声も聞かれた。初診を含めたオンライン診療について、かかりつけ医が実施する場合に解禁する方向性が示されるなかで、オンライン診療における初診とかかりつけ医の定義が議論の焦点となる。

オンライン診療をめぐっては、河野行政改革担当相、平井デジタル改革担当相、田村厚労相の3大臣が、「安全性と信頼性をベースに、オンライン診療について初診を含め原則解禁する」、「オンライン資格をベースに、かかりつけの医師によるオンライン診療を原則解禁する」ことで合意していた。

◎厚労省 「過去に受診歴なし」ではオンライン診療のリスク増大 映像を原則に

厚労省はこの日の検討会でオンライン診療は、「電話ではなく、映像があることを原則」とする方針を示した。また、オンライン診療により患者に利便性などのメリットがある一方で、「対面診療を行わないことによる疾患の見逃し・重症化のリスクや、患者と医療機関のトラブルのリスク等を総合的に考慮する」ことを検討の観点として示した。

そのうえで、初診については安全性の観点から、「数多くの疾患が原因となりうる腹痛等、初診のオンライン診療では診断が難しい症状がある」、「心筋梗塞の可能性がある胸痛等、すぐさま対面診療が必要な症状がある」など指摘した。

さらに、「過去に医療機関の受診歴がない場合」や、「電話」などで患者の情報量が少ない場合には、「リスクが増大し、対面診療の必要性が増す」などリスクを列挙した。また、信頼性については、「疾患の見逃し等が起こり、訴訟等のトラブルに発展した場合に、医師が対面診療ではなくオンライン診療雄行ったこと自体を問題視され得ること」などをあげた。現在は医師・患者共に本人確認ができないことも課題とされているが、オンライン資格確認などの整備が進むなかで、「より確実に行うことができるようになる」とも指摘した。

◎「対面」と「受診しない」の間の“第4の診療形態”として位置づけを 大橋構成員


オンライン診療を活用するかかりつけ医の立場で議論に参画する大橋博樹構成員(多摩ファミリークリニック院長)も、「全くの初診患者の診察は怖い」と述べた。日常から診察する患者では、「知らぬ間にいつもとの比較を行っている」として、咳払いひとつでも違いを感じることができ、客観性をある程度担保できると強調した。一方で、すでにかかりつけ医としての関係性ができている場合は、「新型コロナウイルス感染症の感染の恐れがないなど、患者さん側にメリットが大きいのは明らか」とも述べた。医師にとっても、「長期処方をせざるを得ない場合も多かったが、安易な長期処方をしないですむ」などメリットがあるとの見方を示した。

さらに、「対面診療は困難だが、オンライン診療であれば受診する層」が一定数いると指摘。健康診断で異常を指摘されたが、忙しさで受診できなかった働き世代などがオンライン診療を活用して相談してきたことが数例あったと紹介し、「対面を促すきっかけとしてオンライン診療は存在すると思った」と述べた。そのうえで、「対面か受診しないという間にオンライン診療がある」として、第4の診療形態となる可能性を指摘した。黒木春郎構成員も、「受診年齢は若年層がぐっと増えた。急性上気道炎や感冒などで、子育て世代などのアクセスが増えている」と述べ、オンライン診療により医療のアクセスが改善する層がいることを指摘した。

◎かかりつけ医の定義 皆で共有を ベンダーの管理求める声も

今後、論点となることが想定されるのが、かかりつけ医の定義だ。日本医師会と四病院団体協議会の合同提言や、診療報酬上のかかりつけ医などで、定義が異なる状況にある。権丈善一構成員(慶應義塾大大学院商学部教授)は、「かかりつけ医がオンラインを使っていくことで、オンライン診療が考えられる問題や予測されることはこれで解決できる。ただ、かかりつけ医というものの定義は結構難しい話になる。ここでの意味でのかかりつけ医と、あそこでは違うとなると、年金の支給開始年齢と同じで大混乱を起こす。皆で共有していくことが必要だ」と指摘した。

今村聡構成員(日本医師会副会長)も健康診断や予防接種などの機会を通じて国民がかかりつけ医をもつことの重要性を指摘した。金丸泰文構成員(フューチャー代表取締役会長兼社長 グループCEO)は、オンライン診療を実施する医療機関が少ないことに触れ、「日医推奨のオンラインドクターを厚労相もバックアップして推薦していただければ、患者側の選択肢は増えるのではないか」と述べた。

このほか、大橋構成員はアプリなどを引き合いに、「ベンダーによって患者さん側の享受するメリット、負担が違う。信頼性の違いもある」として、国にベンダーの管理を求めた。
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