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20年7~9月の国内医療用薬市場 前同比5.1%減 薬価改定、コロナ受診抑制で 抗がん剤市場は初の縮小

公開日時 2020/11/18 04:52
IQVIAは11月17日、2020年第3四半期(7~9月)の国内医療用医薬品市場が薬価ベースで2兆5346億円、前年同期比5.1%減だったと発表した。第2四半期(4~6月)は2.5%減だったことから今回、下げ幅は拡大した。第2四半期に引き続き、第3四半期も病院、開業医、主に調剤薬局で構成する「薬局その他」の3市場全てで市場縮小した。また、抗腫瘍剤市場が1.5%減となり、四半期業績として初のマイナス成長となった。20年4月実施の薬価改定(薬剤費ベースで4.38%引下げ)に加え、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う受診抑制が市場全体に影響した。

国内市場が四半期ベースで5%を超える下げ幅となったのは、17年第1四半期の7.2%減以来となる。当時はC型肝炎治療薬ハーボニ―が前年同期の売上1516億円から一気に203億円になったことが市場縮小の理由だった。

20年第3四半期を市場別にみると、100床以上の病院市場は1兆1627億円(前年同期比4.8%減)、100床未満の開業医市場は5020億円(同6.0%減)、薬局その他市場は8698億円(同5.0%減)――だった。

第2四半期は、病院市場が前年同期比1.7%減、開業医市場は同6.9%減、薬局その他市場は同1.3%減――だった。第2四半期と第3四半期を比べると、第3四半期は開業医市場で変わらず厳しい状況が続いたが、病院市場や薬局その他市場での下げ幅が拡大したことがわかる。

■抗がん剤市場の縮小 キイトルーダ、アバスチン、レブラミドの2ケタ減収が影響

20年第3四半期の上位10薬効をみると、1位の抗腫瘍薬市場は売上3708億円で、前年同期比1.5%減となった。IQVIAによると、同市場が四半期ベースでマイナス成長となるのは、売上データをサイト上で公開し始めた2015年以降で初めてとなる。

同市場がマイナス成長となった主な理由は、全製品でも売上トップのキイトルーダが売上287億円(同23.0%減)、全製品かつ抗腫瘍薬市場の中で売上3位の抗がん剤アバスチンが248億円(同22.4%減)、抗腫瘍薬市場の中で売上4位のレブラミドが21.4%減(IQVIAは全製品での売上トップ10製品以外は製品売上を開示していない)――と、抗腫瘍薬市場の中の売上上位製品がそろって2ケタ減収となったためだ。

いずれも薬価改定の影響が大きい。キイトルーダは19年10月の増税改定で薬価が1.85%上がったが、20年2月に特例拡大再算定で薬価が17.5%下がり、20年4月改定では2月の薬価からさらに20.9%下がった。同剤は19年第3四半期に消費税増税前の仮需があったことも、今回の大幅減収の理由のひとつとみられる。同剤は第3四半期に金額で85億円の減収となった。

アバスチンは20年4月改定で、後発品参入に伴う新薬加算累積下げを受けて、薬価が15.7%引下げられた。同剤は第3四半期に71億円減となった。レブラミドは市場拡大再算定により薬価が15%引下げられた。

抗腫瘍薬市場は第3四半期に金額ベースで約57億円の減収となったが、キイトルーダは85億円減、アバスチンは71億円減であり、両剤の減収影響の大きさがわかる。

■薬効別7位にワクチン インフルエンザワクチン早期出荷で

上位10薬効では、ワクチン類(トキソイドを含む)が7位にランクインした。売上は755億円、前年同期比53.1%増だった。ワクチンは毎年、第4四半期(10~12月)にトップ10入りする傾向にあるが、今年は新型コロナとインフルエンザの同時流行を回避するため、各社がインフルエンザワクチンを早期出荷しており、この動きが今回のワクチン売上に反映したとみられる。

IQVIAによると、薬効内トップのワクチンインフルエンザHA MEIJIは前年同期比225.2%増、ワクチンインフルエンザHAダイイチサンキョウは同471.9%増、ワクチンインフルエンザHAタナベは同219.4%増――だった。

■キイトルーダとオプジーボの差は7億円

20年第3四半期の売上上位10製品をみると、1位は引き続きキイトルーダ、2位はがん免疫療法薬オプジーボ(売上280億円、4.0%増、前年同期3位)、3位はアバスチン(前年同期2位)――でトップ3製品はいずれも抗腫瘍薬だった。オプジーボは薬価が18年4月から1.85%上がった。競合薬キイトルーダは薬価が大きく引き下げられた。このため20年1~3月はオプジーボはキイトルーダに90億円の差をつけられていたが、第2四半期は8億円まで縮小、第3四半期も7億円の僅差だった。

4位は抗潰瘍薬タケキャブ(245億円、15.2%増、8位)、5位は疼痛薬リリカ(238億円、5.4%減、4位)、6位は抗がん剤タグリッソ(231億円、3.3%増、7位)、7位は抗潰瘍薬ネキシウム(231億円、1.3%増、6位)、8位は抗凝固薬リクシアナ(212億円、14.5%減、5位)、9位は降圧剤アジルバ(196億円、0.8%減、10位)、10位は抗凝固薬イグザレルト(196億円、5.1%増、10位圏外)――となった。
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