エーザイ パーキンソン病患者の生活サポートアプリ「PaDiCo(パディコ)」の提供開始
公開日時 2020/11/27 04:50
エーザイは11月26日、パーキンソン病患者の生活をサポートするスマートフォン・アプリ「PaDiCo(パディコ)」の提供を開始したと発表した。パーキンソン病の治療の基本は薬物療法とされ、薬剤の効果が減弱することで体が動かなくなるなどのオフ症状を認める場合がある。患者がアプリを操作することでオフ症状の時間を記録し、週単位で可視化する。また、医療機関を受診する前に、その時の体調や症状の変化をスコア化し、記録することも可能だ。同社としては、アプリを活用することで医師と患者のコミュニケーションを支援したい考え。
パーキンソン病患者のオフ症状には、振戦や筋強剛などの運動症状と、便秘や頻尿、発汗などの非運動症状がある。症状が多岐に及ぶため、運動症状や非運動症状を正確に把握することが難しいとされる。こうした課題に対し、スマホアプリ「PaDiCo」を活用することで、これら症状の早期把握と適切な治療を行うことで、病気の進行抑制につなげることができるとしている。
◎オフ時間の記録・可視化、体調や症状の記録、メッセージの送信補助機能など搭載
「PaDiCo」の名称は、Parkinson(パーキンソン)、Digital(デジタル)、Communication(コミュニケーション)を組み合わせたもの。アプリのおもな機能は、パーキンソン病患者のオフ時間の記録・可視化、体調や症状の記録、メッセージの送信補助機能、SOS表示機能、おすすめの体操など―。日常生活に役立つ情報を提供する機能が搭載されている。
操作も簡単で、症状がつらいときでも、スマホ画面のアプリのアクセスボタンを押すだけで、登録された家族や親しい方に予め作成したメッセージを、SMS 機能を通じて送ることができる。緊急時には、画面にある SOS ボタンを押し、サポート方法が記載された画面を周囲に提示することで、必要に応じた支援を要請できる。電子版お薬手帳向けの二次元コードを読み込むだけで服用している薬剤情報を記録し、管理することもできる。
なお、「PaDiCo」はアプリ専用ストアであるApp Store(iPhone)やGoogle Play (Android)から無料でダウンロード可能。