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小林化工 イトラコナゾール錠50「MEEK」服用で死亡した患者は関東在住70歳代女性

公開日時 2020/12/12 19:00
小林化工は12月12日、睡眠薬が混入されたイトラコナゾール錠50「MEEK」(ロット番号:T0EG08)を服用して死亡した患者1人について、関東地方在住の70歳代女性であることを明らかにした。同社は、「本製剤と死亡の因果関係を含め詳細な調査を早急に進める」としている。

健康被害(12日午前零時段階)の総数は前日より1人増え、134人となった。うち自動車等の運転事故は15人、救急搬送・入院患者(退院者含む)は33人で、いずれも前日の報告より1人減った。報告数が減った理由について同社は、それぞれ「重複が判明した」と説明している。

◎薬局からの副作用報告で発覚 ふらつき、めまい、意識障害など

今回の健康被害は、12 月1日以降、岐阜、大阪、佐賀の薬局から同社に対し、イトラコナゾール服用後の患者にふらつき、めまい、意識障害などの副作用あることが複数報告されたことがきっかけとなっている。これを受け、小林化工が、製造記録を確認したところ、抗真菌剤に睡眠誘導剤の混入が発覚し、12月4日から自主回収(クラスⅠ)を開始した。

クラスⅠの回収対象は、イトラコナゾール錠50「MEEK」(製造ロット:「T0EG08」、100 錠包装 929 箱、出荷期間は、9月28日から12月3日まで)で、ベンゾジアゼピン系睡眠薬・リルマザホン塩酸塩水和物が1錠当たり5mg混入していた。混入したリルマザホン塩酸塩水和物の通常用量は2mgで、通常療養の2.5倍に当たる。イトラコナゾールの通常用量は400mg(50mgであれば8錠)であることから、通常に摂取した場合、1日の接取量は通常用量の数十倍にのぼった可能性がある。ただ、同剤の推定致死量は0.05~0.5g/kgとされており、致死量には至らないという。

この原因を特定する過程で、イトラコナゾールの製造過程で用量を下回ることを防ぐために追加で同剤を加えていたことや、手順書に2人で行うことが義務付けられていた作業を1人で実施するなど、承認書にない製造行程を実施していたことも判明。12月7日から、クラスⅠ以外の全ロットを自主回収(クラスⅡ)している。

◎健康被害の報告は日ごと増加

製造販売元の小林化工と販売元のMeiji Seikaファルマは納入先医療機関を通じ、服用患者への情報提供を行い、11日までに服用患者364人を特定し、連絡対応を完了している。

一方で健康被害の報告は日ごと増加している。重篤な健康被害が発生していることを重く見た福井県健康福祉部は12月9日に小林化工への立ち入り調査を実施。当該製品の製造過程について報告を求めると同時に、承認薬と異なる成分が混入されたことから医薬品医療機器等法違反の可能性もあるとして、行政処分を視野に慎重に検討を進める方針だ。

◎小林化工のホームページに「服用による健康被害の状況」を掲載 

小林化工は12日16時30分に、同社ホームページ上に「イトラコナゾール錠50「MEEK」(ロット番号:T0EG08) 服用による健康被害の状況」を掲載した。これまで報告のあった健康被害の報告数を開示すると同時に、原則として16時に新たな報告数を更新することを明示した。なお、これまでに認められた健康被害の主な症状は、眠気、頭部ふらつき感、傾眠、意識障害、転倒、意識消失、めまい感、記憶障害、ろれつ不良、倦怠感、意識レベルの低下など。


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