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【FOCUS 日医工問題から製薬業界は何を学ぶべきか】

公開日時 2021/03/31 04:52
日医工は3月3日、富山県から薬機法に基づいて、業務停止命令を受けた。小林化工が2月9日に業務停止命令を受けてから1か月たらず。ジェネリック最大手の日医工への行政処分だけに製薬業界全体に大きな衝撃が走った。当該企業のガバナンスに加え、大きな課題と言えるのが、ジェネリック業界全体として不正に歯止めをきかせる構造にないことだ。医薬品業界全体の信頼失墜にもつながりかねない事態のなかで、我々は何を学び、どう取り組むべきか。(望月 英梨)

日医工の国内売上高は、1543億500万円(2020年3月期)。内資系製薬企業の国内売上高でみると、大日本住友製薬や塩野義製薬を上回る第9位にランクされる。先発メーカーに負けず劣らずのポジションを獲得している。近年は、エルメッドエーザイを完全子会社化し、武田テバから髙山工場を買収するなど、業界内における田村友一社長の経営手腕が注目されていた。それを裏付けるように、田村体制がスタートした2000年の売上高100億円が、この20年間で20倍にまで成長させ、一気にトップクラスに上り詰めたのだ。

◎GE業界がいま取り組むべきこと

今回の問題であぶり出されたのは、日医工や小林化工のガバナンス・コンプライアンスの問題だけでなく、ジェネリック業界としてのあり方ではないか。日本ジェネリック製薬協会(GE薬協)は、製造・品質管理、コンプライアンスを再徹底するとして、会員企業の総括製造販売責任者(総責)が集う会議を開催するなど対応に乗り出した。早急に、かつ実効性ある対応が求められるが、そこに課題はないのだろうか。

厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課の田中徹課長は「第三者が入った監査組織を作るなど、業界団体として、危機感をもって、実効性のある取り組みを行ってほしい」と話す。

例えば、MRなどの情報提供活動については、日本製薬工業協会(製薬協)が業界の自主ルールとして「医療用医薬品プロモーションコード」を策定している。これに基づき、プロモーション活動のセルフチェックに加え、業界内で相互監視を行っている。2018年に販売情報提供活動ガイドラインが策定されて以降、この流れはさらに強まり、広告資材は第三者機関を通じたチェック体制を取り入れた。

一方でジェネリック業界はどうだろうか。いまだこうした仕組みがなく、“相互監視”のような、業界自らが歯止めをきかせる構造となっていない。そして、これはプロモーションや広告だけの問題ではないのではないか。

ただ、こうしたガバナンスやコンプライアンスの問題はジェネリック業界に限ったものではない。2000年代初頭、成長軌道を描いた先発メーカーは、ディオバン問題をはじめ、多くの不祥事を起こした。後発品使用促進を追い風に成長軌道を描いたジェネリックメーカーの不祥事も同様に、営利主義があることが見え隠れする。今回の問題を取材するなかで、先発メーカーから“ジェネリックは・・・”という言葉が漏れるのを聞くことも少なくないが、こうした意識がすでに不祥事の源泉にも映る。

実際、ディオバン問題以降、不祥事は繰り返されても、販売情報提供活動ガイドラインの違反事例がゼロにならないのが現実だ。

本来であれば、医薬品を通じて医療のインフラを支える製薬産業は、国民から信頼される産業であるはずだ。“ジェネリックだから”、“先発メーカーだから”、という垣根を超え、叡智を結集して医薬品業界全体の回復に努めてほしい。そのためには、業界内の健全な発展に向けた相互監視に加え、国民の眼を意識した産業育成を考えることが必要だ。
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