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【World Topics】ポストコロナへ 動き出したアメリカ

公開日時 2021/04/14 04:49
4月末までには全米にワクチンを普及させ、独立記念日(7月4日)までには暮らしの正常化をはかる。1月21日大統領就任後の初会見で示されたバイデン大統領のポストコロナ計画である。モデルナがFDAの緊急使用許可を得たばかり、まだワクチンの量産・流通体制も整わない段階での発言であった。

大統領府は、会見直後に、モデルナはもとより、FDAの緊急使用許可前のファイザーともワクチン大量買い付けの契約を結び、両社のmRNAワクチン製造に必要とされる希少材料の確保に国家安全保障法を動員して協力したほか、業界の縦割り枠を超えた協力体制での量産・流通体制の整備に尽力し、さらに連邦―州―地方自治体の連携体制でのワクチン供給を推進。ワクチン接種が受けられる場所はCDCのホームページからも検索することができる。
https://www.cdc.gov/vaccines/covid-19/reporting/vaccinefinder/about.html


CDCは3月8日、医療職者やエッセンシャル・ワーカーから始まったワクチン接種が高齢者から順に一般市民へと対象を拡大しはじめたタイミング(3月8日当時のワクチン終了者は米国総人口の9.2%、1回目のみ終了者は17.7%)で通達を出し、接種終了から2週間を経過したケースを「ワクチン終了」と定義し、終了者には、2020年3月以降大幅に規制されてきた国内旅行や集会などについてかなりの行動の自由が認められると発表した。
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/vaccines/fully-vaccinated.html

米国の行楽旅行シーズンは、復活祭(今年は4月4日)前後の春休みが最初ピークだ。昨年はパンデミックで見送った春休みだが、今年は米国中が活発に動き始めたという実感がある。筆者の周辺でも「親戚揃ってレストランで会食」「ワイナリーやビーチで週末」「休暇でハワイ」等々の会話が日常的に飛び交っているが、実際には、移動は構内にとどまっていない。復活祭の週末、空港の出国カウンターには1年ぶりに長い行列ができた。TSA(Transportation Security Agency)の広報官のtwitterによれば「4月3日一日だけで158万人以上の米国人が海外旅行に出発した」。

COVID19に関する統計数値をまとめたCDCの専用ページによれば、本稿を書いている4月5日現在、ワクチン接種を終了した米国人は62,392,065 人(総人口の18.8% 、18歳以上人口の23.2%)で、65歳以上高齢者では54.9%の30,029,190人が終了した。
https://covid.cdc.gov/covid-data-tracker/#vaccinations

大統領宣言の5月1日まで、残すところあと3週間である。(医療ジャーナリスト 西村由美子)
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