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新薬13製品を薬価収載へ ピーク売上高100億円超は3製品 ダラキューロはピーク時370億円

公開日時 2021/05/13 04:50
厚生労働省の中医協総会は5月12日、新薬13成分23品目の薬価収載を了承した。同省は5月19日に収載する予定。ファースト・イン・クラスの治療薬である、FGFR2融合遺伝子陽性の胆道がんに用いるFGFR阻害薬・ペマジール錠(一般名:ペミガチニブ、インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン)や、再発・難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫に用いる抗CD79b抗体薬物複合体・ポライビー点滴静注用(ポラツズマブ ベドチン(遺伝子組換え)、中外製薬)、ムコ多糖症II型に対して血液脳関門を通過して脳実質細胞への直接の作用を発揮する世界初の治療薬・イズカーゴ点滴静注用(パビナフスプ アルファ(遺伝子組換え)、JCRファーマ)も含まれている。

今回収載が了承された製品のうちピーク時売上が100億円以上と予測されているのは、ポライビー点滴静注用、多発性骨髄腫に用いるダラキューロ配合皮下注(ダラツムマブ(遺伝子組換え)ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)、ヤンセンファーマ)、アミノグリコシド系抗菌薬のアリケイス吸入液590mg(アミカシン硫酸塩、インスメッド)――の3剤。ダラキューロを製造販売するヤンセンファーマは10年後のピーク時で売上高370億円と予測している。

収載される製品は以下のとおり(カッコ内は成分名と薬価収載希望会社)

イスツリサ錠1mg 、同錠5mg (オシロドロスタットリン酸塩、レコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパン)
薬効分類:249 その他のホルモン剤(抗ホルモン剤含む)(内用薬)
効能・効果:クッシング症候群(外科的処置で効果が不十分又は施行が困難な場合)
薬価:1mg1錠 3335.90円、5mg1錠 1万3249.00円
市場予測(ピーク時6年後):投与患者数306人、販売金額12億円
加算:なし
費用対効果評価:該当しない

副腎皮質ホルモン合成阻害薬。コルチゾール生合成の最終段階を触媒する11β-水酸化酵素(CYP11B1)を阻害し、副腎でのコルチゾール生合成を抑制する。クッシング症候群は副腎から分泌されるコルチゾールの作用が過剰になることにより、特徴的な身体徴候を呈する病気のこと。身体徴候には満月様顔貌、野牛肩、中心性肥満、皮膚菲薄化、腹部赤色皮膚線条、近位筋の筋力低下などがある。

ヴァイトラックビカプセル25mg 、同100mg 、 同内用液20mg/mL(ラロトレクチニブ硫酸塩、バイエル薬品)
薬効分類:429 その他の腫瘍用薬
効能・効果:NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形癌
薬価:25mg1カプセル 4042.50円
100mg1カプセル 1万4542.90円(1日薬価:2万9085.80円)
2%/1mL  2908.60円
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数117人、販売金額20億円
加算:小児加算(A=5%):「国内で小児効能に係る臨床試験を実施していること、小児にも使用できる製剤(内用液)が存在すること、効能・効果や用法用量に小児に係るものが明示的に含まれていること、比較薬のエヌトレクチニブが小児加算の適用を受けていないことから、小児加算の要件に該当する」
新薬創出等加算:主な理由「加算適用品等の収載から3年以内・3番手以内」
費用対効果評価:該当しない

トロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)阻害薬。神経栄養因子チロシンキナーゼ(NTRK)遺伝子融合と呼ばれる稀なゲノム変化を有する局所進行性または転移性の成人及び小児固形がんに特化した治療薬として開発された。TRK融合タンパク質は、体内の発生部位にかかわらず、がん患者のがんの広がりや増殖を促進する発がん性ドライバーとして作用する。国内申請に用いた臨床試験では肺がん、甲状腺がん、悪性黒色腫、消化管間質腫瘍、大腸がん、軟部肉腫、胆管がんなど20以上の組織型にわたる固形がんで評価された。

同剤は、中外製薬の遺伝子変異解析プログラム・FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルでラロトレクチニブの有効性が期待されるTRK融合がんかどうかを調べた上で使用する。

ペマジール錠4.5mg(ペミガチニブ、インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社)
薬効分類:429 その他の腫瘍用薬(内用薬)
効能・効果:がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道癌
薬価:4.5mg1錠 2万5631.20円
市場予測(ピーク時3年後):投与患者数58人、販売金額7億円
加算:
有用性加算(Ⅰ)(A=35%):理由「FGFR融合遺伝子の阻害作用を有する新規作用機序医薬品で、米国NCCNガイドラインで推奨されていることを踏まえ、標準的治療に位置づけられると考えられる」
市場性加算(Ⅰ)(A=10%):理由「希少疾病用医薬品に指定されているため」
新薬創出等加算:主な理由「加算適用品」
費用対効果評価:該当しない

ファースト・イン・クラスの選択的線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害薬。FGFRのリン酸化を阻害し、下流のシグナル伝達分子のリン酸化を阻害することで、FGFR2融合遺伝子を有する胆道がんに対して腫瘍増殖抑制効果を示すと考えられている。ペマジールによる高リン血症に対処するため、ニプロの炭酸ランタン顆粒分包「ニプロ」を併用する。インサイト日本法人では、同剤について自社販売する予定。

ケシンプタ皮下注20mgペン(オファツムマブ(遺伝子組換え)、ノバルティスファーマ)
薬効分類:119 その他の中枢神経系用薬(注射薬)
効能・効果:再発寛解型多発性硬化症や疾患活動性を有する二次性進行型多発性硬化症患者における再発予防及び身体的障害の進行抑制 
薬価:20mg0.4mL1キット 23万860円(1日薬価:8245円)
市場予測(ピーク時5年後):投与患者数3800人、販売金額99億円
加算:新薬創出等加算(希少疾病用医薬品)
費用対効果評価:該当しない

主にB細胞上に発現しているCD20を標的とするヒト型IgG1κモノクローナル抗体。多発性硬化症(MS)の発症及び再発に関与している自己反応性B細胞を減少させることで、MSに対して効果を示すと期待されている。有効成分のオファツムマブは現在、ノバルティスから製品名「アーゼラ点滴静注液」として、CD20陽性の慢性リンパ性白血病に使用できる。今回は皮下注製剤で、適応は多発性硬化症となる。

イズカーゴ点滴静注用10mg(パビナフスプ アルファ(遺伝子組換え)、JCRファーマ)
薬効分類:395 酵素製剤(注射薬)
効能・効果:ムコ多糖症II型
薬価:10mg1瓶 25万1030円(1日薬価:14万3445円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数110人。販売金額85億円
加算:
有用性加算(Ⅰ)(A=40%):理由「全身症状及び中枢神経症状に有効性があると評価される本剤は既存の類似薬にない有効性を有している。また、脳室内投与に比べて非常に低い侵襲性で中枢作用を期待できる点は、既存の治療方法に比べて利便性が著しく高く、ムコ多糖症II型の中枢神経症状に対しては標準的治療法ないため」
先駆け審査指定制度加算(A=10%):「先駆け審査指定制度の指定を受けており要件を満たすが、国内臨床試験では症例数が限られるため」
新薬創出等加算:主な理由「希少疾病用医薬品として指定、加算適用品」
費用対効果評価:該当しない

マンノース6リン酸受容体を介した作用に加え、JCR独自の血液脳関門(BBB)通過技術である「J Brain Cargo」によりトランスフェリン受容体を介してBBBを通過させることで、中枢神経症状に対する作用が期待される薬剤。静脈内投与することで末梢組織とともに中枢神経系に移行することを可能にしたもの。

ムコ多糖症II型に対する既存の治療酵素製剤はBBBを通過できないため、脳内で薬効を発揮できず、中枢神経症状に対し効果が期待できないことが大きな課題となっている。

ジョイクル関節注30mg(ジクロフェナクエタルヒアルロン酸ナトリウム、生化学工業)
薬効分類:399 他に分類されない代謝性医薬品(注射剤)
効能・効果:変形性関節症(膝関節、股関節)
薬価:30mg3mL1筒 4394円
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数486千人、販売金額69億円
加算:なし
費用対効果評価:該当しない

生化学独自の薬剤結合技術を用いてヒアルロン酸とNSAIDsのジクロフェナクを化学結合させた薬剤。ヒアルロン酸による関節機能改善効果に加え、徐放されるように設計されたジクロフェナクの鎮痛・抗炎症作用を併せ持つとされる。4週間ごとに関節腔内に投与して用いる。

関節ごとの有効性評価のデータから、当初申請していた足関節の変形性関節症(OA)は有効性が認められないとして、膝関節と股関節のOAのみ承認された。小野薬品が販売及び情報提供・収集活動を行う。

ポライビー点滴静注用30mg、同140mg(ポラツズマブ ベドチン(遺伝子組換え)、中外製薬)
薬効分類:429 その他の腫瘍用薬(注射薬)
効能・効果:再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫
薬価:30mg1瓶 29万8825円(1日薬価:4万2689円)、140mg1瓶 136万4330円
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数2.4千人、販売金額120億円
加算:
有用性加算(II)(A=5%):理由「NCCNガイドラインでは、自家造血幹細胞移植の適応とならない再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫においてCategory2Aとして最も推奨されるレジメンに位置づけられている」
新薬創出等加算:主な理由「希少疾病用医薬品の指定、加算適用品」
費用対効果評価:該当する(H1)

ファースト・イン・クラスの抗CD79b抗体薬物複合体。ヒト化抗CD79bモノクローナル抗体とチューブリン重合阻害薬をリンカーで結合させた薬剤。CD79bタンパクは、多くのB細胞で特異的に発現しており、新たな治療法を開発する上で有望なターゲットとされる。同剤は正常細胞への影響を抑えつつCD79bに結合し、送達された化学療法剤によりB細胞を破壊すると考えられている。

なお、同剤はシンバイオ製薬の抗がん剤トレアキシン(一般名:ベンダムスチン塩酸塩)と併用して用いる。

レミトロ点滴静注用300μg(デニロイキン ジフチトクス(遺伝子組換え)、エーザイ)
薬効分類:429 その他の腫瘍用薬(注射薬)
効能・効果:再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫、再発又は難治性の皮膚T細胞性リンパ腫
薬価:300μg1瓶 8万5610円(1日薬価:3万575円)
市場予測(ピーク時9年後):投与患者数341人、販売金額18億円
加算:
新薬創出等加算:主な理由「新規作用機序医薬品」
費用対効果評価:該当しない

ジフテリア毒素の一部のアミノ酸配列と、インターロイキン2(IL-2)の全アミノ酸配列を融合した遺伝子組換え融合タンパク質。腫瘍細胞の細胞膜上に発現するIL-2受容体に結合し、細胞内に取り込まれた後にジフテリア毒素が切断され、遊離したジフテリア毒素がタンパク合成を阻害することなどにより腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。厚労省の未承認薬・適応外薬検討会議の評価をふまえた開発要請品目。

ダラキューロ配合皮下注(ダラツムマブ(遺伝子組換え)・ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)、ヤンセンファーマ)
薬効分類:429 その他の腫瘍用薬(注射薬)
効能・効果: 多発性骨髄腫
薬価:15mL1瓶 43万4209円(1日薬価:1万5507円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数6.9千人。販売金額370億円
加算:
有用性加算(II)(A=5%):理由「比較薬であるダラザレックス点滴静注は、3~7時間の長時間の投与が必要であるが、本剤は皮下投与製剤であり、投与時間は約3~5分であるため、比較薬に比べて使用に際しての利便性が高い」
新薬創出等加算:主な理由「加算適用品」
費用対効果評価:該当する(H1)

ダラツムマブはCD38を標的とするモノクローナル抗体で、多発性骨髄腫に用いる点滴静注製剤「ダラザレックス」として承認されている。今回は、ダラツムマブに新有効成分のボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)を配合した皮下注製剤で、投与時間の短縮、固定用量による薬剤調整手順の簡略化などによる患者及び医療従事者の負担軽減が期待されている。

ボルヒアルロニダーゼアルファは、真皮の主要な結合基質であるヒアルロン酸をN-アセチルグルコサミンの四糖類、または六糖類のサブユニット及びグルクロン酸に脱重合することにより、皮下組織に薬剤を注入する際の抵抗を減少させ、薬剤の体内への浸透と分散を促進する。

ヌーイック静注用250、同500、同1000、同2000、同2500、同3000、同4000(シモクトコグ アルファ(遺伝子組換え)、藤本製薬
薬効分類:634 血液製剤類(注射薬)
効能・効果:血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制
薬価:
250国際単位1瓶(溶解液付) 2万2543円
500国際単位1瓶(溶解液付) 4万1865円 
1,000国際単位1瓶(溶解液付) 7万7750円
2,000国際単位1瓶(溶解液付) 14万4395円
2,500国際単位1瓶(溶解液付) 17万6239円 
3,000国際単位1瓶(溶解液付) 20万7405円
4,000国際単位1瓶(溶解液付) 26万8164円(1日薬価:6万7041円)
市場予測(ピーク時5年後):投与患者数155人、販売金額25億円
加算なし
費用対効果評価:該当しない

ヒト胎児由来腎細胞(HEK293F細胞)を用いて製造されるBドメイン除去型の遺伝子組換え血液凝固第VIII因子製剤。日本人を含む国際共同第IIIb相臨床試験(GENA-21b)を主要な試験として、今回の効能・効果で承認された。

ユプリズナ点滴静注100mg(イネビリズマブ(遺伝子組換え)、田辺三菱製薬) 
薬効分類:639 その他の生物学的製剤(注射薬)
効能・効果:視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防
薬価:100mg10mL1瓶 349万5304円(1日薬価:5万7457円)
市場予測(ピーク時8年後):投与患者数317人、販売金額59億円
加算:
有用性加算(II)(A=5%):理由「サトラリズマブ製剤に比べて投与間隔が5か月延長されており、患者にとって維持期の注射回数が1/6に減少するメリットがあることから、既存 の治療方法に比べて効果の持続が著しく長いに該当」
新薬創出等加算:理由「希少疾病用医薬品、加算適用品のため」
費用対効果評価:該当しない

抗体を産生する形質芽細胞や形質細胞を含むB細胞の表面に発現するCD19に高い親和性を持つヒト化抗CD19モノクローナル抗体製剤。CD19に結合することで、これらの細胞を循環血液中から除去する。

ジクトルテープ75mg(ジクロフェナクナトリウム、久光製薬)
薬効分類:114 解熱鎮痛消炎剤(外用剤)
効能・効果:各種がんにおける鎮痛
薬価:75mg1枚 156.50円 
市場予測(ピーク時4年後):投与患者数125千人。販売金額34億円
加算なし
費用対効果評価:該当しない

フェニル酢酸系の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)。久光のTDDS(経皮薬物送達システム)技術を用いて経皮吸収性を向上させ、3枚貼付時のジクロフェナクの全身曝露量が既承認の徐放性カプセル剤(ナボールSRカプセル)と同程度になるよう製剤設計された1日1回貼付の全身投与型経皮吸収製剤。がん疼痛に対する効能・効果を有するNSAIDsなどの非オピオイド鎮痛剤として、初の貼付剤となる。

がん疼痛に対する薬物療法に関する国内外のガイドラインでは、非オピオイド鎮痛剤は痛みの強さに応じて、単剤またはオピオイド鎮痛薬と併用使用することとされている。ただ、非オピオイド鎮痛薬の経口摂取が困難な患者がいることから、今回の全身投与型経皮吸収製剤が開発された。

アリケイス吸入液590mg(アミカシン硫酸塩(リポソーム製剤)、インスメッド合同会社)
薬効分類:616 主として抗酸菌に作用するもの(外用薬)
効能・効果:適応菌種:アミカシンに感性のマイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)、 適応症:マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)による肺非結核性抗酸菌症
薬価:590mg8.4mL1瓶 4万2408.40円
市場予測(ピーク時3年後):投与患者数1.6千人、販売金額177億円
加算:
有用性加算(II)(A=10%):理由「治療抵抗性の肺MAC症患者に対して本剤を併用した多剤併用療法の有効性が示されている。欧米のガイドラインでは、治療抵抗性の肺MAC症に対して本剤の併用レジメンが最も強く推奨されており、標準的治療法であると言える」。
新薬創出等加算:主な理由「加算適用品」
費用対効果評価:該当する(H1)

アミノグリコシド系抗菌薬。有効成分のアミカシンは注射薬として承認され、様々な細菌感染症に使用されている。同吸入液はアミカシンの全身曝露を抑えて副作用を軽減しつつ、肺内へ効率的に薬剤を送達することが可能となるよう、リポソーム化アミカシンの吸入剤として開発されたもの。アミカシンとして初の吸入薬となる。
 
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