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薬食審 5月28日に第二部会 新薬5製品を審議 エーザイの新規抗がん剤タゼメトスタットなど

公開日時 2021/05/14 20:40
厚生労働省は5月14日、新薬の承認可否の審議などを行う薬食審医薬品第二部会を28日にウェブ会議で開催すると発表した。審議品目は5製品。この中にはエーザイの新規の抗がん剤タズベリク錠(一般名:タゼメトスタット臭化水素酸塩)や米HUYA Bioscience International(HUYABIO)日本法人が承認申請し、承認取得後はMeiji Seikaファルマが独占販売する抗がん剤ハイヤスタ錠(ツシジノスタット)が含まれる。

同部会で承認が了承された場合、6月に正式承認されるとみられる。

【審議予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)

タズベリク錠200mg(タゼメトスタット臭化水素酸塩、エーザイ):「濾胞性リンパ腫」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

経口EZH2 阻害薬。エピジェネティクス関連タンパク質群のうち、ヒストンメチル基転移酵素のひとつであり、発がんプロセスに関与するEZH2を選択的に阻害することで、がん関連遺伝子の発現を制御し、がん細胞の増殖を抑制すると考えられている。同社はEZH2遺伝子変異陽性の濾胞性リンパ腫に係る適応で承認申請した。

ルタテラ静注(ルテチウムオキソドトレオチド、富士フイルム富山化学):「神経内分泌腫瘍」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。
▽ライザケア輸液(L-リシン塩酸塩、L-アルギニン塩酸塩、富士フイルム富山化学):「ルテチウムオキソドトレオチドによる腎被曝の低減」を対象疾患とする新医療用配合薬。

ルタテラは、ソマトスタチン類似物質に放射性同位元素のルテチウム177を標識した治療用放射性医薬品。「放射性リガンド療法」の一種であるペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)に用いる。放射性リガンド療法は、腫瘍に発現している受容体に特異的に結合する化合物に放射性物質を標識して患者に投与し、体内から病巣に放射線を照射する治療法のこと。PRRTは腫瘍に発現しているペプチド受容体を標的とするもの。

同社はルタテラを、ソマトスタチン受容体陽性の膵臓、消化管、肺の神経内分泌腫瘍の治療薬として承認申請した。ライザケアはルタテラによる腎臓の被ばくを低減するために用いる輸液で、両剤を併用して用いる。

ユニツキシン点滴静注17.5mg/5mL(ジヌツキシマブ(遺伝子組換え)、大原薬品):「神経芽腫」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。

遺伝子組換えキメラモノクローナル抗体。ヒトの神経外胚葉性腫瘍(神経芽腫など)に多く発現する抗原GD2と特異的に反応し、抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)及び補体依存性細胞傷害作用(CDC)を介し、神経芽腫細胞の溶解を惹起する。

ユニツキシンは、G-CSF製剤・フィルグラスチムと遺伝子組換え型インターロイキン-2製剤・テセロイキンの3剤併用で使用する。フィルグラスチム、テセロイキンともにこの日の部会で報告される。

神経芽腫は小児固形腫瘍で胎児期の神経堤細胞を起源とする細胞ががん化したもの。小児がんの中で白血病、脳腫瘍に次いで多い。国内患者数は毎年最大で160人程度が発症し、総患者数は最大で3300人程度とみられる。約6割が高リスク群に分類され、その5年生存率は5割以下。小児固形腫瘍全体から見て最も予後が悪い疾患とされる。

ハイヤスタ錠10mg(ツシジノスタット、Huya Japan):「成人T細胞白血病リンパ腫」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。

HDAC(ヒストン脱アセチル化酵素)阻害薬。エピジェネティックな作用を有する。クラスI(HDAC1、2、3)とクラスIIb(HDAC10)のHDACを阻害することで、腫瘍細胞中でアセチル化されたヒストン(H3およびH4)の集積を促す。これによって、腫瘍細胞の増殖停止に関与する複数のタンパク発現を変化させ、がん微小環境における免疫遺伝子の発現を調整するPD-L1の核内移行を制御することにより、腫瘍免疫力を増強させる。

今回は再発・難治の成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)を対象疾患とするが、現在、再発・難治の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)でも申請中。承認取得後はMeiji Seikaファルマが日本で独占的に販売する。

【報告予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

グラン注射液75、同注射液150、同注射液M300、同シリンジ75、同シリンジ150、同M300(フィルグラスチム(遺伝子組換え)、協和キリン)
イムネース注35(テセロイキン(遺伝子組換え)、塩野義製薬)
:両剤とも「神経芽腫に対するジヌツキシマブ(遺伝子組換え)の抗腫瘍効果の増強」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。

この日に審議される遺伝子組換えキメラモノクローナル抗体・ユニツキシン点滴静注17.5mg/5mL(ジヌツキシマブ(遺伝子組換え)、大原薬品)と併用するため、効能追加などを行う。
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