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日本新薬 20年度も増収増益 自社創製のウプトラビが国内外で好調 ロイヤルティ収入拡大

公開日時 2021/05/17 04:49
日本新薬は5月14日、2021年3月期(20年度)決算は営業利益が19.2%増の267億円となるなど、増収増益だったと発表した。売上高は前年度比4.5%増の1218億円で、各利益段階で2ケタの増益だった。売上、利益とも過去最高となる。20年度薬価改定やコロナ禍による環境変化の影響を受けたものの、自社創製の肺動脈性肺高血圧症治療薬ウプトラビの海外売上に伴うロイヤルティ収入が拡大したことが業績に大きく寄与した。ウプトラビがほとんどを占める同社のロイヤルティ収入は243億円で、前年度比53.5%増だった。21年度のロイヤルティ収入は320億円を計画している。

20年度の製品売上を見ると、最主力品の骨髄異形成症候群治療薬ビダーザは153億円(前年度比1.9%減)だった。増収だった製品はウプトラビ68億円(10.1%増)、肺動脈性肺高血圧症治療薬アドシルカ54億円(1.3%増)、CD20陽性の濾胞性リンパ腫治療薬ガザイバ53億円(17.3%増)――などで、ウプトラビは国内外で好調だった。

◎DMD治療薬ビルテプソ 21年度に88億円計画

20年5月発売の自社開発したアンチセンス核酸医薬品で、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(以下、DMD)を適応とするビルテプソ点滴静注の売上は23億円だった。21年度は88億円を計画している。同剤はDMD患者の筋肉中のジストロフィン遺伝子のエクソン53を迂回して、機能のあるジストロフィンタンパク質を産生することによって疾患の進行抑制と病態改善を期待する薬剤で、同一の作用機序を有する薬剤はほかにはない。同社は20年度にDMD専門MR13人を配置して情報活動した。

一方で、20年6月に初めて後発品が登場した前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬ザルティアの20年度売上は67億円(49.4%減)、20年2月に承認され、3月頃に初めて後発品が登場したED治療薬シアリスは26億円(40.1%減)――となった。

◎2プロジェクトが国内申請中 ウプトラビ適応追加、新規の鉄欠乏性貧血治療薬

現在申請中のプロジェクトは2つある。ひとつはウプトラビの慢性血栓塞栓性肺高血圧症に係る適応追加で、20年11月に申請した。同剤は今回申請した適応で、希少疾病用医薬品に指定されている。

もうひとつは鉄欠乏性貧血を対象疾患とする「NS-32」(開発コード、一般名:デルイソマルトース第二鉄)で、21年3月に申請した。デンマークのファーマコスモス社から導入したもの。同社によると、「既存薬に比べて、少ない投与回数で安全に高用量の鉄補充が可能な静注製剤」だとしている。

【20年度連結業績(前年同期比) 21年度予想(前年同期比)】

売上高 1218億8500万円(4.5%増) 1350億円(10.8%増)
営業利益 261億3400万円(20.6%増) 280億円(7.1%増)
親会社帰属純利益 207億200万円(22.7%増) 210億円(1.4%増)

【国内主要製品売上高(前年同期実績) 21年度予想、億円】
ビダーザ 153.50(156.52) 172
トラマール・ワントラム 69.06(71.53) 61
ウプトラビ 68.04(61.82) 86
ザルティア 67.43(133.28) 32
アドシルカ 54.74(54.05) 48
ガザイバ 53.12(45.27) 61
シアリス 26.77(44.72) 25
エリザス 24.44(23.87) 25
ビルテプソ 23.87(-) 88
デフォイテリオ 19.70(10.71) 21
工業所有権等収益 243.38(158.60) 320
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