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日本新薬・25年度上期 売上0.4%増、営業利益9.6%増 国内外でウプトラビ好調

公開日時 2025/11/20 04:49
日本新薬が11月14日に発表した2025年度第2四半期(中間期)決算は、売上高が0.4%増の796億円、営業利益が9.6%増の196億円と微増収・営業増益だった。国内において肺動脈性肺高血圧症(PAH)等治療薬・ウプトラビの売上が前年同期比13.0%増の84億円と好調だったほか、24年5月発売の高リスク急性骨髄性白血病治療薬・ビキセオスが31.5%増の29億円、22年11月発売の難治性てんかん治療薬・フィンテプラは159.6%増の18億円と大幅に伸長した。また、ウプトラビの海外売上に伴うロイヤリティ収入の伸長により工業所有権等収益は6.7%増の242億円となった。

◎DMD治療薬・ビルテプソ 米国で8.3%減収も「遺伝子治療から帰ってきた症例も出てきた」

米国で自社販売するデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)治療薬・ビルテプソの米国売上は8.3%減の80億円と減少した。通期では163億円(前期比4.8%減)を見込む。

中井亨代表取締役社長は同日の決算説明会で、「上半期は新規獲得患者が増えてきたが、脱落した患者さんも数例あり、脱落分が売上に影響を与えた。特に上半期の後半から患者獲得のペースがさらに上がりつつある。遺伝子治療を投与されていた患者さんがビルテプソに帰ってきたというような症例も出てきた。今後の環境変化としては、ビルテプソから遺伝子治療にスイッチした患者さんや、最初から遺伝子治療を使った患者さんたちがビルテプソの方に戻ってくる流れが出来てきているのではないかと感じている」と述べた。

ビルテプソの第3相301試験で主要評価項目未達となったことへの対応では、国内第1/2相試験や北米第2相試験等の結果に基づき取得した米国での迅速承認の維持と追加の 第3相303試験の実施を目指しており、FDAに301試験の詳細な最終報告書と303試験の詳細なプロトコルを提出中だ。

桑野敬市取締役研究開発担当は、「12月下旬までに何らかの返答があると期待している」と述べた。また、条件付き早期承認を取得している日本での対応について、「PMDAや厚労省とビルテプソに関して協議しており、今後もう少し時間をかけて協議を続けていく予定になっている。前向きな話ができていると思っている」と述べた。

◎25年度予想 売上、営業利益とも上方修正

通期業績予想については、米国販売権を持つDMD心筋症に対する細胞医療製品「CAP-1002(一般名:deramiocel)」に関して、導入元の米カプリコール社が25年7月にFDAから審査完了報告通知(CRL)を受領したため、8月の第1四半期決算発表時に売上予想を期初の1730億円から1660億円に70億円下方修正していた。今回、前立腺がん治療薬・アーリーダの共同販促契約改定に伴い、下期から日本新薬に同剤の売上が計上されることになったことを要因に、1680億円(前期比4.8%増)に20億円引き上げた。

アーリーダの利益の取り分について中井社長は、「原則大きく変わるものではない。最終的に残る利益は同等程度の枠組みである」と説明した。営業利益予想については、8月時点で修正していなかったが、今回、期ずれにより販管費や研究開発費が前回予想を下回る見通しとなったことから、300億円から330億円(前期比6.9%減)に30億円引き上げた。

◎米国販売権持つCAP-1002とRGX-121 上市タイミングが当初想定より遅れる

中井社長は、米国販売権を持つCAP-1002およびムコ多糖症II型に対する遺伝子治療薬「RGX-121(clemidsogene lanparvovec)」の上市タイミングが当初想定より遅れる状況を説明。26年度以降の業績見通しについて、「上市タイミングが遅れる点と、研究開発費が少しずれていく点などを加味すると、26年度は少しずれた分が影響するかもしれない。改めてきちんと精査した上でご案内できるかと思っている」と述べた。

中井社長は、CAP-1002の米国開発状況について、25年8月に開催されたカプリコール社とFDAとのミーティングで、第3相HOPE-3試験の追加データ提出によってFDAの審査が再開される見込みになったと説明。カプリコール社による同試験のトップラインデータの開示は年内に予定されているとした。

一方、導入元の米リジェネックスバイオ社が米国で承認申請中のRGX-121については、FDAによる審査期間が延長され、審査終了目標日(PDUFA date)が25年11月9日から26年2月8日に変更されており、「今のところ26年4月早々には販売開始したいと考えている」と述べた。

【連結業績 (前期比)25年度予想(前期比)】
売上高 796億4700万円(0.4%増)1680億円(4.8%増)←1660億円(8月)←1730億円(期初)
営業利益 195億8000万円(9.6%増)330億円(6.9%減)←修正前300億円
親会社所有者帰属当期利益 157億6000万円(3.7%減)263億円(19.2%減)←修正前240億円

【国内主要製品売上高(前期実績)25年度予想、億円】
ビルテプソ 103.49(110.02)211←修正前215
日本 23.86(23.19)48
米国 79.63(86.82)163←修正前167

ウプトラビ 84.48(74.74)170←修正前168
ビキセオス 29.41(22.36)65←修正前73
ガザイバ 24.51(24.52)50←修正前52
ビダーザ 18.18(27.57)32←修正前31
フィンテプラ 17.65(6.80)40
デファイテリオ 12.52(12.77)25
トラマール・ワントラム 11.84(14.70)22←修正前20
シアリス 11.19(12.19)23←修正前25
アーリーダ ―(—)63←修正前—
CAP-1002(米)―(―)—← —(8月)←73(期初)
共同販促収入 47.92(47.00)92←修正前96
工業所有権等収益 241.81(226.55)470←修正前475
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