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日薬連 新会長に第一三共の眞鍋氏 新型コロナで「多くの問題顕在化」 国と業界一体で克服したい

公開日時 2021/05/21 04:50
日本製薬団体連合会(日薬連)は5月20日、評議員会を開き、第一三共の眞鍋淳社長兼CEOを会長に選出した。任期は2023年5月までの2年間。眞鍋会長は就任あいさつで、新型コロナの感染拡大で「多くの問題が顕在化した」と指摘。例えばワクチンの研究開発や製造基盤整備の遅れ、医薬品産業におけるサプライチェーンの脆弱性――を挙げ、「国と業界が一体となって克服していかないといけない」と強調した。

眞鍋会長は、このほかに業界が直面している課題として、品質保証、医薬品流通、社会保障財源と薬価の在り方、セルフメディケーションの推進――を列挙した。そして、「各業態別団体、各地域別団体から忌憚のない意見、提言をいただきたい」と呼びかけ、「業界全体を俯瞰する立場で政府、政治、医療関係団体など様々なステークホルダーの皆さまとの議論を通じて課題を解決し、国民の健やかな生活を支え得る産業のあるべき姿を実現したい」と抱負を述べた。

◎医薬品のエコシステム 官民一体で築き上げたい

デジタル技術の活用にも触れた。急速に進歩したデジタル技術は、創薬、臨床開発、薬事承認、製造、流通、情報収集・提供との医薬品のバリューチェーンを「一層高度なものに革新し得る可能性がある」との認識を示した。ただ、デジタル技術を活用した医薬品のバリューチェーンにおけるエコシステムについては、「日薬連を構成する各団体それぞれの努力だけで達成できるものではない」と指摘し、「官民一体となって築き上げなければならない」との考えを示した。

◎「ガバナンス、コンプライアンスの徹底を」 小林化工、日医工問題受けて

20年度に小林化工や日医工で起こった品質管理の問題を踏まえ、「各団体におかれては、ガバナンス、コンプライアンスの徹底を強くお願いする」と強調し、「製薬企業が国民、患者さんからの信頼を回復できるよう、業界一体となり、品質確保、安定供給に取り組んでいきたい」とも述べた。

なお、副会長にはエーザイの岡田安史代表執行役COO、アステラス製薬の畑中好彦会長、大日本住友製薬の野村博社長が就任した。

◎手代木前会長 「薬価に明け暮れた3年だった」

18年5月から3年間、日薬連会長を務めた手代木功氏(塩野義製薬社長)はこの日、退任あいさつした。19年10月の消費税改定、20年4月の通常改定、21年4月の中間年改定の3年連続薬価改定時の会長ということで、「改定のたびに中医協で意見陳述した。おそらく歴史上、最も意見陳述した会長ではないか。薬価に明け暮れた3年間だった」と振り返った。

なかでも中間年改定では、改定の対象範囲で政府と業界で綱引きがあり、結果、対象品目は7割、業界は薬剤費ベースで4300億円の影響を受けた。この点について手代木前会長は「極めて不本意な状況になり、非常に忸怩たる思い」、「ほとんど通常改定と同じではないかという状態に対し、本当に申し訳なく思っている」と話した。

一方で、研究開発税制やセルフメディケーション税制、薬機法改正、添付文書の電子化は「概ね業界要望に沿った着地をした」と述べ、これらは手応えのある良い思い出だったようだ。

◎革新的医薬品創出へ新薬価制度の構築を

新型コロナへの対応や今後の新興感染症への備えとして、「ワクチンをはじめ有事に備えた研究、開発、生産の体制の構築が、ますます我が国喫緊の課題だ」と指摘した。新規モダリティの研究など新技術の追求、リアルワールドデータやICTの積極活用など様々な手法を駆使しながら、「革新的医薬品の創出を緩めることなく進めることが我々に求められている」と強調し、新薬創出のためにもイノベーションが適切に評価される新薬価制度が構築されることに業界一丸となって取り組んでいこうと呼びかけた。
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