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アッヴィ日本法人・フェリシアーノ社長「2025年までに2桁成長目指す」 免疫疾患と血液がんでリーダーに

公開日時 2021/05/21 04:50
アッヴィ合同会社のジェームス・フェリシアーノ社長は5月20日、会見に臨み、「イミュノロジー(免疫疾患)と血液がんにおけるリーダーシップと豊富なパイプラインで、2025年までに2桁成長を目指す」と表明した。トップ製品であるヒュミラは今年2月にバイオシミラーが参入したが、「12の適応症を持ち、10年を超える長い臨床実績を誇り、その間に様々なデータやエビデンスが蓄積されている。今後も引き続き多くの患者のお役に立てるように注力する」と述べ、イミュノロジー領域でのリーダーシップを発揮していく考えを強調した。

◎2020年国内売上高は9%減の1137億円 

同社の2020年の国内売上高は、前年比9%減の1137億円。3年連続で1000億円超の売上高を確保した。フェリシアーノ社長は、C型肝炎のマーケットが縮小するなかで、マヴィレットの売上減が影響したものの、「ヒュミラのリーダーシップに加え、リンヴォックの成功」などが寄与したと説明した。アッヴィ合同会社が発足した2013年以降、20年までの7年間で年平均成長率約10%の2桁成長を達成した。

◎BS参入のヒュミラ 12の適応症とエビデンスを医師に訴求で「リーダーシップ堅持」


フェリシア―ノ社長は同日、2025年を最終年度とする新中期経営計画「Road to the Best」を発表した。2025年までには二桁成長、「その後数年以内に、現在の売上を倍増できると期待している」と述べた。2021年も継続的な成長を描くうえで、カギを握るのがイミュノロジー領域の成長だ。バイオシミラーが参入したヒュミラだが、「リーダーシップの堅持」を掲げた。

ヒュミラは2020年11月に壊疽性膿皮症の承認を取得するなど、希少疾患などの適応拡大を図るなど、価値を最大化する取り組みを進める。フェリシアーノ社長は、「12の適応症があり、バイオシミラーはすべての適応症をカバーしているわけではない」と説明。「こうした適応症を積極的に先生にプロモーションしていきたい。バイオシミラーではカバーできない、ヒュミラの価値を訴えていきたい」と意気込みをみせた。「バイオシミラーの使用を強いるべきものではない。患者さんの状態が安定しているのであれば、継続して使用してほしい」とも述べた。

さらに、バイオシミラーと低分子の後発品の違いにも触れながら、「ヒュミラは品質管理についても長い歴史を持っている。医師と患者がディスカッションをし、正しい選択をしてほしい。低分子製剤ではなく、バイオ製剤だということを踏まえ、エビデンスに基づいて選択、決定していっていただきたい」と訴えた。ヒュミラは新薬創出等加算の適用から外れたことにも触れ、「薬価制度のなかで優遇措置がなくなったことに合意はしているし、受け入れている」とも述べた。

5月に投薬機関制限が解除されたリンヴォックだが、コロナ禍でのJAK阻害薬として4番目の上市にもかかわらず、「他のJAK阻害剤と差別化でき、トップレベルの立ち上がりを見せた」と自信をみせた。5月1日に投薬期間の制限が解除され、さらなる成長を見込んだ。このほか、血液がん領域でのベネクレクスタなどの成長にも期待をよせた。

新中計は、ベストカンパニーとなることを目標に、①働きがいの追求、②ビジネスの成功、③社会とのつながり―の3本柱を戦略的に進める。フェリシアーノ社長は、「新5か年計画を着実に実行することでベストコンパニ―を目指し、患者さんの笑顔に貢献し続ける」と述べた。

◎薬価制度の透明性と予見性求める PhRMA在日委員長として国に働きかけ

フェリシアーノ社長は、「開発をできるだけ加速し、一日でも早く日本の患者にイノベーションを届けることは当社の責任であり、コミットメントだ」との考えを表明。「これを実現するためには、透明性と予見性のある薬価制度、国際的に競争力のある研究開発と創薬基盤の確立、イノベーションの評価システムが不可欠だ。微力ながらPhRMAの在日執行委員長として国に働きかけていきたい」と続けた。

同社の日本での売上高は米国に次ぐ2位だが、「ポジションが保証されているわけではない」と強調。血液がん治療薬のベネクレクスタについては、日本よりも中国で先に承認されたとして「アッヴィ ジャパンの社長に就任してから、日本よりも中国で先に承認されたのは初めてのことだった」と衝撃を口にした。薬価制度改革が断行されるなかで、「日本でこのような状況が続くと、革新的新薬に対しての認識が薄れていく。それに対するリワードが得られなくなると、我々も考えていかねばならない」との見解を示した。

また、「中国、その他の市場では薬事環境や医療保険システムは、非常に魅力的な方向に変えてきている。日本の場合、逆になっているのではないか」と指摘。リンヴォックが4番手の製品であることから新薬創出等加算の適用から外れたことが「良い例だ」として、「複数の疾患領域に貢献できる医薬品として育てるために、多大な投資をしてきている。それにもかかわらず、こういう状況になっている」と強調した。
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