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20年のグローバル製品売上 1位はヒュミラの290億ドル 6製品が100億ドル超 IQVIA

公開日時 2021/06/11 04:51
IQVIAは6月9日、2020年の医療用医薬品のグローバル売上の第1位が関節リウマチなどの自己免疫疾患に用いるヒュミラ(一般名:アダリムマブ)だったと発表した。売上は290億1100万ドルで前年比7.5%増だった。金額では約20億ドルの増収となる。ヒュミラを含む上位6製品で売上が100億ドルを超えたが、ヒュミラと2位の抗凝固薬エリキュース(アピキサバン)との差は120億ドル近くあり、ヒュミラの売上が突出している。この製品売上は、世界で異なる名称や企業で流通する製品を同一にグルーピングした結果で、国・地域によってはOTCの売上も含む。

全世界における20年の医療用医薬品の市場規模は1兆1814億ドル(前年比4.4%増)だった。

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製品売上は工場出荷価格ベースで、国・地域によってはIQVIAの定めた係数をかけて算出した。日本の場合、薬価に係数をかけたものとなる。売上は四半期ごとの為替影響が反映されている。伸び率は為替影響が除外されている。

IQVIAはこの日、16年から20年の直近5年間の売上上位20製品などを発表した。ヒュミラは16年から5年間、売上1位の座にある。同剤の16年売上は187億7700万ドルで、この5年間に売上を約102億ドル伸ばした。

20年の売上上位製品をみると、2位はエリキュース(売上173億9000万ドル、前年比28.3%増)、3位はがん免疫療法薬キイトルーダ(ペムブロリズマブ、151億1300万ドル、32.9%増)、4位は抗凝固薬ザレルト/イグザレルト(リバロキサバン、117億2900万ドル、12.0%増)、5位は乾癬治療薬ステラーラ(ウステキヌマブ、111億4400万ドル、25.9%増)、6位はインスリン製剤ランタス(インスリングラルギン、103億200万ドル、3.0%増)で、これら6製品が売上100億円超製品となる。

7位は糖尿病薬トルリシティ(デュラグルチド、98億5000万ドル、34.4%増)、8位は抗HIV薬ビクタルビ(ビクテグラビルナトリウム+エムトリシタビン+テノホビル アラフェナミド、92億5000万ドル、69.6%増)、9位は自己免疫疾患治療薬エンブレル(エタネルセプト、91億8700万ドル、5.7%減)、10位はがん免疫療法薬オプジーボ(ニボルマブ、83億8800万ドル、2.1%増)――だった。

◎増収額1位はエリキュース 1年で38億7700万ドル増

売上上位20製品のうち、増収額が最も大きかったのはエリキュースで、この1年間に38億7700万ドル伸ばした。そして、ビクタルビの37億9600万ドル増、16位の糖尿病治療薬オゼンピック(セマグルチド)の37億8300万ドル増、キイトルーダの37億5000万ドル増――と続いた。

今回上位20製品入りを果たしたのは、8位のビクタルビ、13位の糖尿病治療薬ジャディアンス(エンパグリフロジン)、16位のオゼンピック、17位の加齢黄斑変性症治療薬アイリーア(アフリベルセプト)、19位の乾癬治療薬コセンティクス(セクキヌマブ)――の5製品。

一方で、今回20位圏外となったのは、抗がん剤アバスチン(ベバシズマブ)、マブテラ/リツキサン(リツキシマブ)、インスリン製剤ヒューマログ(インスリンリスプロ)、抗がん剤ハーセプチン(トラスツズマブ)、喘息薬シムビコート(ブデソニド+ホルモテロールフマル酸塩水和物)――の5製品。いずれも16年から19年まで上位20製品にランクインしていたが、特許切れに伴う後発品やバイオシミラーの登場でランク外となった。

◎企業ランキング 売上1位はアッヴィ、6つ順位上げる 武田薬品は15位

20年の企業別売上ランキングは、ヒュミラを手掛けるアッヴィが1位となった。前年は7位で、今回6つ順位を上げた。20年売上は599億ドル(前年比7.6%増)で、この売上の48%をヒュミラが占める。

2位は前年1位のジョンソン・エンド・ジョンソン(596億ドル、8.7%増)、3位は前年2位のノバルティス(542億ドル、2.7%増)――で上位3社が500億ドル超の企業。4位は前年3位のロシュ(471億ドル、2.0%減)だった。

前年4位のファイザーは今回9位となったが、これは分社化によるもの。ファイザーから分社し、疼痛薬リリカなどを扱うヴィアトリスは19位に入った。なお、両社の売上を合算すると約584億ドル(ファイザー:410億ドル、ヴィアトリス:173億ドル)となる。

日本企業の最高位は武田薬品の15位で、順位は前年と変わらなかった。20年売上は281億ドル、前年比4.5%増だった。

◎上位20社 成長率1位はベーリンガーインゲルハイム 2ケタ成長は3社

上位20社のうち最も成長率が高かったのは16位のベーリンガーインゲルハイムで売上247億ドル、前年比15.4%増とした。ジャディアンスが70億5700万ドルを売り上げ、前年から21億ドル伸びたことが高成長の主な要因となる。

2ケタ成長したのは11位のノボ ノルディスク(338億ドル、13.8%増)、7位のブリストルマイヤーズ スクイブ(BMS、428億ドル、13.6%増)を含む計3社。ノボは前述したオゼンピックの急成長が、BMSはエリキュースの2ケタ成長などが企業業績を押し上げた。
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