成功のカギは「対話と実践」、外資製薬とベンダーが取り組むマーケティングの追求
インタビュー:コロナ禍で乱立するWeb講演会
公開日時 2021/07/12 12:00
【提供】エムスリーデジタルコミュニケーションズ株式会社
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、Web講演会の活用が増加している。コロナ禍前もデジタル施策を効果的に利用することは易しくなかったが、直近の爆発的な増加により、施策運用の難易度が上がったとの声が絶たない。各社が創意工夫を進める中で、とある「外資製薬大手」は「配信ベンダー」と二人三脚でその課題に立ち向かっている。ポイントはWeb講演会を単発の取り組みと捉えず、その前と後に目を向けてWeb講演会の価値を向上させようとすること。それを支えるのはエムスリーデジタルコミュニケーションズ(M3DC)。その取り組みを聞いた。
<インタビュイー>
Aさん 外資系企業・呼吸器分野・プロダクトマネジャー
Bさん 外資系企業・呼吸器分野・プロジェクトリーダー
デジタルインフレだからこそ。ベンダーと二人三脚で取り組む。
──コロナ禍におけるWeb講演会の課題を教えて下さい。
Aさん コロナ禍でMR活動が制限されるなか、リアルとオンラインを組み合わせて情報提供の機会を確保していくことは、どの企業にとっても大きな課題だ。その中でWeb講演会の位置づけは、医師から医師へ臨床上で気を付けるポイントや製品の良さなどを伝えていただく非常に重要な手段だと考えており、われわれも月に1~4回、様々な規模で実施している。
とはいえ、デジタルの比重が高まり、競合含めWeb講演会の開催が増えれば、多くのメッセージの中で埋もれないためにも差別化は必須だ。選ばれ、開封される告知メールでないといけないし、視聴につなげていくようなフローをつくっていく必要がある。
──今回の取り組みはM3DCとご一緒されたと伺いました。その背景を教えて下さい。
Aさん 今回、オウンドメディアの価値をさらに高めていきたいと考え、Web講演会を単なる配信で終わらせず、総合的なプロデュースという新たな取り組みをご提案頂いた。ベンダーの技術理解も含め適正な運営や業務の見直しにもつながるのではないかと考えた。
メール施策やダイジェスト動画など、新たな試みで視聴者数が過去最高に
──実施した施策の内容とM3DCとの役割分担、進め方についてお教えください。
Aさん Web講演会をはじめ、告知メール、視聴前後アンケート、オープニング動画、ダイジェスト動画といった一連のマーケティング施策を一緒に制作した。講演会当日の配信以外も幅広くワンストップで対応頂いた。
Bさん まず当社の社内ルールや資材審査などのレギュレーションに関する情報を共有し、方針をすり合わせる。そのうえでM3DCさんがシナリオをつくり、それをこちらで確認し修正を依頼する。どちらにボールがあるのか、可視化しながら進めたのが、ゼロからでもクオリティの高いものを追求できた要因だ。
──これらの施策について、またM3DCをどのように評価されていますか。
Aさん Web講演会への登録数、視聴数も過去最高と大成功だった。告知メールは、通常のクリック率の3.4倍。メールを開いた医師が自然なかたちで情報を確認し、アクションを起こすというところまで一連の流れを想定して工夫されていた。
Bさん どのようなWeb講演会かを事前に知ってもらうことが重要だと提案いただき、告知メールは2週間前、1週間前、前日の3回内容を少しずつ変えて送信した。M3DCさんが作成した、講演者の専門性を反映したスペシャル感のあるバナーなどで、今回の一押しのテーマを伝えられる内容になり、それが成功につながったと考えている。
また、今回初めての試みであるダイジェスト動画は特に印象に残っている。これは視聴された医師の振り返りや視聴できなかった医師のフォローを目的に、60分の講演内容を10分程度にまとめたもの。M3DCにはメディカルプロデューサーがいたおかげで、製薬協の作成要領を踏まえながら、ポイントをしっかり押さえつつ、講演者のメッセージを挿入し、視聴者の興味を引く内容になったと思う。実際、クリック率は告知メールの2.3倍と高く、多くの医師に視聴いただいている。興味深いのは何度も繰り返して視聴する方が結構多く、この点からもデジタルコンテンツの特性を引き出せた良い施策だと思う。
映像、学術、マーケティング、ITの総合力が生み出した成功
──今回の施策が成功した理由についてお聞かせください。
Aさん やはり両社の密なコミュニケーションと丁寧な進め方に集約される。チーム内から「次はこうしたらどうか」という活発な意見が出るようになった。今回は、M3DCさんの総合プロデュースという新たな取り組みやそのコンセプトへの共感と、両社で深掘りしてつくった成果物で今までにない結果を出したいという僕の熱い思いが皆に伝わったのではないか(笑)。そしてそれを支える技術人材、学術人材、マーケティング人材がお互いにいたことがポイントだ。
Bさん 双方でプロジェクトを引っ張り、参加したメンバー1人ひとりが自分事として役割を回せたのが、成功の要因だと考えている。
──今回の施策で得た結果を今後、どのように活用されますか。
Aさん オウンドメディアで何かできないかという時に、今回の施策は1つの雛型として今後の参考にできる貴重な材料だ。視聴後アンケートはまさに次のプロモーションに直結する部分。この施策の成果物として次のアクションのヒントになる。一つの施策からネクストアクションへつながるヒントを得られた。一度で終わらせず、今回のノウハウをどう展開・転用し続けていけるかに尽きる。
Bさん 一連の施策を通じてM3DCさんに助けていただく幅がぐっと広がったと思う。お互いの気づきを共有したり、提案ができる関係になったので、皆でより良いものつくりあげていくという考え方は、他の施策においても活かされると思う。
──本日はありがとうございました。
エムスリーデジタルコミュニケーションズ株式会社
エムスリーデジタルコミュニケーションズは、医療・製薬業界に特化した豊富なナレッジ、ソリューション、テクノロジーで、メディカル領域のDXをトータル支援します。
日本最大級の医療従事者専用サイトm3.comを運営するエムスリーグループの一員として、そして、メディカルデジタルマーケティングのプロフェッショナルとして。私たちは、これからも積極的に医療の未来に貢献します。
お問い合わせ:
https://www.m3dc.co.jp/contactmix/