胆道がんへの10年ぶりの抗がん剤・ペマジール 遺伝子パネル検査の活用を インサイトセミナー
公開日時 2021/07/19 04:49
インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパンは7月15日、ウェブセミナー「胆道がんにおけるがんゲノム診断に基づく分子標的治療薬がもたらす新しい未来」を開催した。東北大学大学院消化器外科学分野の海野倫明教授(日本胆道学会理事長)が「胆道がんおよびがんゲノム診断と個別化医療の展望」のテーマで講演した。
ペマジール(一般名ペミガチニブ、会社名インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン)は、「がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がん」を適応症とする胆道がんを適応症とする初の分子標的治療薬となる。2021年6月1日に販売を開始した。胆道がんは全がん種のなかでも生存率が低いとされる。
海野教授は、「ペマジールが胆道がんに対する10年ぶりの新しい抗がん剤」と紹介した。新しい分子標的治療の対象となる遺伝子が同定されており、FGFR2融合遺伝子は、肝内胆管がんで特異的にみられ、遺伝子パネル検査による変異の確認が必要との考えを示した。遺伝子パネル検査は新しい遺伝子診断法で、1度に多数のがん関連遺伝子を調べられる。