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日医工 出荷調整等対象品・全219品目中112品目が年度内出荷見込めず 富山第一工場の生産ロット半減

公開日時 2021/08/26 04:52
日医工は8月25日までに、自社ホームページに公開した「出荷調整及び欠品見込み対象品目」(出荷済含む)に掲載した全219品目中、112品目が年度内の出荷が見込めない状況にあることを公表した。製造再開に向けてバリデーション等の実施を予定している品目や、製法の改善が必要で改善難易度などを調査している品目が多数含まれる。早くても2022年4月以降の供給再開となる。一方で、シロスタゾールOD錠50mg「日医工」など6製品13規格の供給を今月から再開したほか、ランソプラゾールカプセル15mg「日医工」など2製品6規格は9月27日に再開させると公表した。

同社は富山第一工場の行政処分以降、全品目を対象としたリスク評価を行っている。リスク評価に際しては、FMEA(Failure Mode and Effect Analysis:欠陥モード影響解析)が用いられ、重大性、検出性、発生確率をスコアリングし、対象製品のリスクを高・中・低に分類している。特にリスク高・中の製品については、製法の改善などリスク低減策を講じ、品質を保証した上で製造に着手するような体制を組んだところだ。一方で今年3月に社内に新設した「製剤技術本部」を通じ、既存品が抱える課題の早期解決と重複品目の統合および製造場所の検討などにも着手している。

◎富山第一工場の月間生産ロット数 年度内は250~300ロットに抑制

富山第一工場は、2021年3月時点で約500ロットあった月間生産ロット数が、21年4~6月(第1四半期)には60ロットまで落ち込んだ。8~9月(第2四半期)は供給停止品目の製造再開もあり月間生産ロット数は約200まで改善する見通しだ。一方で、この間、製造部門の人数は横ばいをキープするものの、品質管理本部の人員のうちQC(品質管理)は58%増、QA(品質保証)は42.9%増、品質保証部+GMP監査室は26.3%増と大幅に増員する計画。こうした取り組みを通じ、10~12月(第3四半期)の生産量は月間約240ロット、22年1~3月(第4四半期)は約月間270ロットの生産・出荷を見込むなど、徐々に生産量を増やす計画だ。ただ、富山第一工場の適正規模について同社は、当面は月間生産ロット数を250~300に抑えるとし、「確かな製造管理・品質管理を実現する」と強調している。

同社は「引き続き出荷調整及び欠品見込み対象製品」のアップデートを行い、最新情報を随時更新する。リスク評価が終わった品目から生産・供給を再開させる方針だが、すでに年度内に供給再開ができない品目が100以上となっている。2022年4月以降に供給再開する製品の多くはリスク評価で「中」もしくは「高」に分類されており、特に「高」の品目は製法の改良などが求められることから、必要に応じて別の製造工場に変更するなど、なお供給再開が長引く可能性もある。早期にリスク低減に必要な対応を立案し、実施することが求められることになりそうだ。
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